金融市場NOW
直近の米国経済動向について
2013年08月07日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
ポイント
- 米国経済は緩やかながらも堅調に推移しています。2013年第2四半期の実質GDP成長率(速報値:前期比、年率)は+1.7%、7月のISM製造業景況指数は55.4と前月の50.9から上昇、また、ISM非製造業景況指数も56.0と前月の52.2から上昇しました。
- 7月の失業率は7.4%と前月の7.6%から改善、非農業部門雇用者数は前月比16.2万人増で、市場の事前予想18万人増をやや下回りました。また、6月の消費者物価指数上昇率(前年比)は+1.8%と落ち着いた水準にあります。非農業部門雇用者数が市場の事前予想を下回ったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和縮小観測がやや後退しましたが、米国株式市場や経済にとってはマイナスの材料ではないと見ています。米国経済は、緩やかに回復の過程を辿っていると思われます。
グラフ1:米国実質GDP成長率の推移
(データ期間:2000年1Q~2013年2Q、四半期)

2013年第2四半期の実質GDP成長率(速報値)は+1.7%(前期比、年率)となり、第1四半期の+1.1%から上昇しました。個人消費は+1.8%と第1四半期の+2.3%から減速しましたが、在庫の増加が寄与しました。(グラフ1)
グラフ2:米ISM製造業、非製造業景況指数の推移(データ期間:2007年1月~2013年7月、月次)

7月のISM製造業景況指数は55.4と前月の50.9から上昇しました。またISM非製造業景況指数も56.0と、前月の52.2から上昇しました。両指数とも、生産と新規受注が大きな伸びを示しました。(グラフ2)
グラフ3:米雇用統計の推移
(データ期間:2007年1月~2013年7月、月次)

7月の失業率は7.4%と前月の7.6%から改善しました。非農業部門雇用者数は前月比16.2万人増となり、市場予想の18万人増を下回りました。同時に5月、6月の同雇用者数の増加が2.6万人下方修正されました。(グラフ3)
グラフ4:米消費者物価、消費者物価コア指数の推移(データ期間:2007年1月~2013年6月、月次)

6月の消費者物価指数上昇率(前年比)は+1.8%、消費者物価コア指数上昇率(前年比)は+1.6%と落ち着いた水準にあります。(グラフ4)
7月31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文において、FRBは量的緩和縮小について、失業率と消費者物価の水準に着目していると述べました。米国経済は、落ち着いたインフレ率のもと、緩やかに回復の過程を辿っていると思われます。
金融市場動向
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