金融市場NOW

中国:新政権下での景気見通しについて

2013年03月15日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

中国では、雇用環境が底堅く推移していたにもかかわらず、2012年に個人消費が減速しました。その背景には、リーマンショック後の消費喚起策の反動減があると見られます(グラフ1、2)。しかし、既に反動減は一巡しつつあり、個人消費は持ち直し基調に戻ると見ています。また、新たな個人消費喚起策が実施された場合、個人消費は上振れの可能性があると思われます。

グラフ1:都市部の労働市場の需給状況

出所:CEIC、ブルームバーグ、各種報道をもとにニッセイアセットマネジメント作成

グラフ2:個人消費の持ち直し

出所:CEIC、ブルームバーグ、各種報道をもとにニッセイアセットマネジメント作成

中国政府は、バブルが懸念されている不動産について、2010年春先以降、金融引締めを含めた規制強化に乗り出しました。現在不動産向け融資の厳格化や住宅価格の水準訂正が進んでおり、2013年は引締めと緩和のバランスのとれた政策へ移行するものと思われます。

グラフ3:政権交代前後における実質GDPの推移

出所:CEIC、ブルームバーグ、各種報道をもとにニッセイアセットマネジメント作成

また、中国は現在政権交代の移行期となっていますが、政権交代のタイミングで中国の実質GDPは上昇しやすいという傾向があります(グラフ3)。共産党の主要ポストが固まり、春から続いていた人事騒動は一段落しています。今後は、政策の意思決定がスムーズになり、景気の持ち直しに向けた政策運営がなされると思われます。

図1:政権交代と5か年計画

出所:CEIC、ブルームバーグ、各種報道をもとにニッセイアセットマネジメント作成

政権交代後も政策の連続性は確保されると見ています。それは、5か年計画の最中であること(図1)に加え、主要ポストの習氏、李氏の政策が、前政権の政策スタンスと大きく異なるわけでは無いことが根拠となります。

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