金融市場NOW
注目される海外投資家の動向と国内株価について
2013年02月15日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
グラフ1:主な投資主体の日本株保有比率

日本の株式市場における海外投資家の動きが注目されています。海外投資家の日本株保有比率は、1991年度末(1992年3月末)の6.0%から、2011年度末(2012年3月末)には26.3%に上昇し、日本の株式市場における存在感は大きくなっています(グラフ1)。
グラフ2:海外投資家の保有シェア増減と日経平均株価

海外投資家の日本株保有シェア増減と株価の関係を長期的にみると、シェアが2%以上上昇した年は株価が大きく上昇し、逆にシェアの増減がマイナスとなった年は株価が下落する傾向が見られます。海外投資家の売買動向が株価に一定の影響を与えているものと考えられ、今後のシェア動向が注目されます(グラフ2)。
次に、2005年度以降の海外投資家による日本株純投資額(買入-売却)と日経平均株価の推移の関係を見てみます。2005~2006年度は大幅な買い越しとともに株価は大きく上昇しました。反対に、2007年度はサブプライム問題、2008年度はリーマンショックの影響で大幅な売り越しとなり、結果として株価は大幅下落となりました(グラフ3)。その後の株価動向を見ても、海外投資家の売買動向と連動する傾向があると思われます。
最近では、昨年10月以降海外投資家の買い越しが続いており、昨年10月から今年1月末までの買い越し累計額は約3兆4,000億円となっています(グラフ3)。リーマン・ショック後の高値を付けた今年1月6日の翌日の一部報道では、「外国為替市場で円相場が一段安となり、企業収益の改善期待から海外投資家の資金が活発に流入した。」と報じられています。安倍首相の経済政策、いわゆる「アベノミクス」が、海外投資家の期待に応える成果を出していければ、このトレンドが続く可能性が高いと見ています。
グラフ3:海外投資家の売買動向と日経平均株価

金融市場動向
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