金融市場NOW
最近の中国の景気動向と相場見通しについて
2013年01月22日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
グラフ1:中国 実質GDP 前年同期比

1月18日発表の中国2012年10-12月期実質GDPは、前年同期比+7.9%増と7-9月期の+7.4%増から8四半期ぶりに加速へ転じました(グラフ1)。GDPの回復をうけて当日の中国株は大幅上昇、日本株も90円台への円安進行もあり大幅上昇となりました。
グラフ2:鉱工業生産と小売売上高

今回同時に発表された12月小売売上高は前年比+15.2%増と7月を底に5ヶ月連続で加速、鉱工業生産も+10.3%増と8月を底に4カ月連続で加速となっています(グラフ2)。実質GDPの回復は10-12月期まで遅れたものの、月次指標からみると中国景気は7-8月をボトムに既に回復に転じており、直近はその動きが一段と鮮明となりつつあるといえそうです。
グラフ3:社会融資総量の動き

中国景気の回復が遅れた要因としては、「(1)インフレ懸念による金融緩和の遅れ」「(2)新指導部への移行を前に政策が出にくい政治情勢」「(3)欧州景気後退をうけた外需低迷」が考えられますが、経済全体のファイナンス規模を示す「社会融資総量」は、6月以降は前年を上回るペースを維持しており(グラフ3)、(1)の「金融政策」面では既に十分に緩和的な運営に転換済みといえそうです。(2)の「新指導部移行」も11月の共産党大会で無事終了、(3)の「欧州景気」にも回復の兆しがみられます。中国景気の回復基調が今後も持続する可能性は十分にありそうです。
グラフ4:中国株の動き

中国の株式市場は、低迷が続いていましたが、景気回復への期待感から、12月以降は急反発に転じつつあります(グラフ4)。中国景気や中国株の回復基調が続く場合には、世界景気や世界の株式市場へも好影響が期待されます。
金融市場動向
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