金融市場NOW
日銀の追加金融緩和と今後の相場について
2012年09月20日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
日本銀行は9月19日の金融政策決定会合で、資産買入等の基金の総額を従来の70兆円から80兆円に増額する追加金融緩和を全員一致で決定しました。主な内容は長期国債、短期国債をそれぞれ5兆円増額するというものです。
日銀は2010年10月に35兆円で基金を創設して以来、今回を含め6回の増額を行ってきました。基金の増額は、主に円高/ドル安・国内株安の局面において打ち出され、結果として為替市場や株式市場をサポートしてきたと思われます(下図)。
9月6日に欧州中央銀行(ECB)が「無制限の国債購入」を、9月13日には米連邦準備理事会(FRB)が「量的緩和第3弾(QE3)」をそれぞれ決定し、欧米中央銀行が相次いで積極的な金融緩和策を打ち出すなかで今回の日銀の決定会合は注目を集めていました。発表後の市場の反応は、為替市場で1ドル78.6円から79.2円近辺へ円安/ドル高が進行、株式市場では日経平均株価が前日比108.44円高の9232.21円(終値)に上昇しました。
今月は日米欧の新たな金融緩和策が出揃うことになりました。今後については、世界的な金融緩和の動きにサポートされ、年末から来春にかけて、国内株式市場は穏やかに上昇、また、為替市場では、他に本邦経常収支黒字の縮小なども背景に、緩やかな円安/ドル高で推移すると予想します。
円/ドルレートと日経平均株価の推移

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