金融市場NOW
成長する新興国と新興国債券
2012年09月05日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
グラフ1:実質GDP成長率

先進国と新興国(※)の実質GDP成長率を比較した場合、1980年には、先進国が0.9%、新興国が3.8%で差が2.9%あり、2011年には、先進国が1.6%、新興国が6.2%でその差が4.7%と広がっています。国際通貨基金(IMF)は、2017年には、先進国が2.7%、新興国が6.3%でその差は3.7%と予測しており、新興国は今後も高成長が継続するものと見込まれています(グラフ1)。
グラフ2:世界の名目GDPに占める先進国・新興国比率の推移

一方、世界の名目GDPに占める先進国・新興国比率を見てみると、1980年では、先進国が69%、新興国が31%であったものが、2011年には、先進国が51.1%、新興国が48.9%となり、IMF予測によれば、2013年には逆転し、2017年には、先進国が45.7%、新興国が54.3%とその差が広がっていくと見込まれています(グラフ2)。
新興国の高成長は、新興国債券の信用力を裏付けるものとなっており、それに伴い、当該国の債券の信用度が向上すると共に、利回りの低下につながっていくことが考えられます。
経済成長とともに新興国は成熟化し、先進国に変貌を遂げていくと思われますが、その過程において、新興国債券は、高成長に伴う高金利から、安定低成長による低金利にシフトすると考えられます。長期投資の観点からみても、新興国債券への投資は、魅力的であると思われます。
- 文章中、グラフ1、2中の先進国・新興国はIMF分類による
金融市場動向
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