金融市場NOW
中国のGDPと金融緩和の動き
2012年07月18日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
グラフ1:中国のGDP(前年比)

7月13日発表された中国の4-6月GDPは前年比7.6%増と1-3月の8.1%増から一段と鈍化、リーマンショック後の08年10-12月と並ぶ低水準となりました(グラフ1)。市場では、景気への警戒の一方で金融緩和や景気刺激策への期待も高まる形となり、週末(7/13)の米国株価は大幅上昇となりました。
グラフ2:中国の政策金利と消費者物価

中国は、7月6日に2カ月連続での利下げを実施、景気減速に対応した金融緩和の動きが鮮明となりつつあります(グラフ2)。一方、7月9日に発表された6月消費者物価の前年比上昇率は2.2%へと一段と鈍化、1年預金金利の3.0%を大きく下回る水準にあり(グラフ2)、今後の追加利下げの余地も大きいと考えられます。
グラフ3:新規銀行貸出の動き

中国の金融政策では、窓口指導による融資額の直接コントロールが重視されますが、6月の新規銀行貸出は9198億元と昨年・一昨年の6000億元程度を大きく上回る水準へと拡大(グラフ3)、この面からも当局の金融緩和姿勢は明確となっています。景気指標の減速をうけて、年後半にかけては、一段の景気刺激策が期待できそうです。
グラフ4:中国のインフレ・GDP(前年比)

中国のGDP(前年比)とインフレの関係をみると、「インフレのピークから概ね2四半期から3四半期後にGDP(前年比)が底打ちし上昇に転じる」傾向がみられます(グラフ4)。今回のインフレのピークは昨年7-9月であり、以後のインフレ沈静化と金融緩和を考慮すると、3四半期後にあたる今年の4-6月を底に、景気が徐々に回復に向かう可能性も十分ありそうです。中国経済が世界の景気や株価に与える影響は大きいため、今後の動きは要注目です。
金融市場動向
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