金融市場NOW
米国株式市場について
2011年02月01日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
- 米国企業収益は好調であり、株価はこれを健全に反映している状況。
- 当面、堅調推移が予想される。
グラフ1

米国株式市場(NYダウ)は、2008年6月以来の高値を示現していますが、その背景の一つには好調な企業収益が挙げられます(グラフ1)。その内、金融部門の収益回復には、米国金融当局の資産購入を受けた金融資産の値上がり、および、これを通じたトレーディング益の回復や、大幅な金融緩和による調達・運用利ざやの拡大が貢献しました。非金融部門では、雇用コストの徹底した圧縮が奏効した模様です(グラフ2)。海外部門は、高い経済成長を続けているエマージング諸国向け輸出の伸びが貢献しました。グラフ3を見ると、海外部門の収益が先進諸国株(米国除く)との相対比較で高い伸びとなっているエマージング諸国の株価と連動し、上昇していることがわかります。
グラフ2

グラフ3

グラフ4

過去、設備投資や住宅投資が経済規模に対して過剰となった局面では、その反動も含め、その後、米国株の反落が観測されました。また、個人の金融資産価値が経済規模に対して過剰に上昇した局面でも、後に米国株の反落につながりました(グラフ4、5、6)。
上述の観点で現在の米国経済を見る限り、株価の反落を招くような「過剰」は見当たりません(グラフ4、5、6)。むしろ、設備投資、住宅投資ともに過去の水準と比べても低位にあります(グラフ4、5)。また、個人の金融資産価値も過去に株価が反落した水準(グラフ6緑点線)に到達していません。「過剰」のない健全な経済環境の中、好調な企業収益を背景に当面は、株価の堅調推移を予想します。
グラフ5

グラフ6

金融市場動向
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