金融市場NOW
2011年 テーマ別為替市場の動向
2011年01月04日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
- 2011年の市場の最注目テーマは財政問題であり、引き続き、財政状況が為替市場に反映される可能性。
- 中国経済の成長はコモディティの需要増を連想させ資源国通貨は選好される可能性。
グラフ1

バークレイズ・キャピタルが2,000人以上の投資家を対象に実施した調査によると、2011年の金融市場を支配する重要なテーマは「先進国経済の財政問題に関する懸念の高まり」であり、全体の37%を占め、最大となりました。そこで、各国の財政状況と為替の強弱を決める重要な要素である実質金利の関係をグラフ1に示してみました。図中、右上方向が示唆するのは、財政が健全、かつ、実質金利が高い国です。2011年の為替市場のテーマが調査通りならば、グラフ1を反映した通貨の強弱関係が相場で具現化されるのか要注目です。 また、同調査によると、2011年に最高のパフォーマンスが予想される資産クラスは、株式が全体の40%、コモディティが同34%との結果となりました。下のグラフ2は、エマージング株と各通貨の動向、グラフ3はコモディティ価格と各通貨の動向を示しています。もし、2011年のパフォーマンスが調査通りの結果になった場合、過去の連動を考えると、通貨の強弱関係は豪ドル、カナダドル、ニュージーランドドル等の資源国通貨が、米ドル、ポンド、ユーロ等を上回るパフォーマンスで推移する展開が想定できるかもしれません。
グラフ2

グラフ3

グラフ4

2011年の世界の金融市場を予想するに当たり、米国経済の行方はもとより、中国経済も重要な要素です。グラフ4は中国PMI(製造業購買担当者指数)と各通貨の動向ですが、これを見ると中国経済の改善に連動し、強くなる通貨群は、豪ドル、カナダドル等の資源国通貨のようです。この背景には、中国経済の改善がコモディティ需要につながるという発想がある模様です。
金融市場動向
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