金融市場NOW
金融危機収束後の円相場の特徴
2009年08月03日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
- 過去における金融危機中の円相場は円高傾向かつ、相場の振れが大きくなる傾向がある。
- 金融危機収束後1年間の円相場は円安傾向かつ、相場の振れが小さくなる傾向がある。
- 換言すると、円は避難通貨としての特徴があるといえる。
グラフ1

過去における金融危機中のドル/円のパフォーマンスは平均で約 -13%の円高、かつ相場の振れが大きくなる特徴がありましたが、危機収束後の1年間は平均で約5%の円安、かつ相場の振れが小さくなる傾向があります。リーマンショック後の金融危機は最悪期を脱したとの声が強くなっていますが、今後も過去の特徴を踏襲するのか要注目です(グラフ1参照)。
グラフ2

(注)1999年以前のユーロの値は理論値を使用
過去における金融危機中のユーロ/円のパフォーマンスは平均で約-11%の円高、かつ相場の振れが大きくなる特徴がありましたが、危機収束後の1年間は平均で約7%の円安、かつ相場の振れが小さくなる傾向があります。リーマンショック後の金融危機は最悪期を脱したとの声が強くなっていますが、今後も過去の特徴を踏襲するのか要注目です(グラフ2参照)。
グラフ3

過去における金融危機中の豪ドル/円のパフォーマンスは平均で約-16%の円高、かつ相場の振れが大きくなる特徴がありましたが、危機収束後の1年間は平均で約14%の円安、かつ相場の振れが小さくなる傾向があります。豪ドルはハイリスクハイリターン通貨と考えられていますが、その特徴が出ているようです。(グラフ3参照)
グラフ4

過去における金融危機中のメキシコペソ/円のパフォーマンスは平均で約-23%の円高、かつ相場の振れが大きくなる特徴がありましたが、危機収束後の1年間は平均で約3%の円安かつ、相場の振れが小さくなる傾向があります(グラフ4参照)。
グラフ5

過去における金融危機中の南アフリカランド/円のパフォーマンスは平均で約-17%の円高、かつ相場の振れが大きくなる特徴がありましたが、危機収束後の1年間は平均で約4%の円安かつ、相場の振れが小さくなる傾向があります(グラフ5参照)。
金融市場動向
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