アナリストの眼
経営陣との対話の重要性
掲載日:2014年03月04日
- アナリスト
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投資調査室 鈴木 貴
私は現在、運輸セクター及び小売セクターを担当しています。前回の執筆(掲載日2011年10月21日「他国企業の経営戦略を踏まえた分析」)から約2年半、運輸セクター担当して約3年、小売は約2年経ちました。月日が経つのは本当に早いものです。アナリストは次から次へ状況が変化する企業や株式マーケットに正面から向き合い、常に新しい発見がある中では、特にそう感じます。
これまでを振り返ってみると、学生時代から資産運用業、アナリストに興味を持ち、実際に従事できてやはりアナリストは素晴らしい仕事だと心から思えます。手前味噌ながら、自分自身で成長出来ていると実感しています。その大きな要因として、やはり経営者と対等の立場で議論できる機会が多いことにあると感じます。勿論、企業はニッセイアセットマネジメントに時間を作って頂いており、我々も機関投資家として恥じない対応をしなければなりません。私も、しっかりとした事前分析をし、ニッセイアセットマネジメントの代表として自信を持って議論に臨んでいます。
そこで、意識していることは、(私がその企業を買い推奨している、していないに関わらず)経営者の目線にたって考えるということです。自分ならどうやって経営するか、どうやったら会社が良くなるかと、真剣に考えています。良くなるとは、単純に株主目線のいかに"より利益を創出するか"ということだけではありません。顧客や取引先、従業員等各ステークホルダーの目線をも考慮し、いかに全体最適を目指せるかという視点で考えています。そこから経営者の中長期戦略についての真の思い、狙いが見えてくる気がしています。私はその戦略に対ししっかりと評価、企業価値の算定を行い、そこに中長期での市場との認識ギャップ見出しています。実際に、そう意識してからは、バイアスがなくより良い着眼点や切り口で企業を見つめることができています。そして益々ブラッシュアップしていき、私自身のアナリストとしての価値を高めてまいりたいです。
ひいては、「経営者に会いたいと思われるアナリスト」を目指したいです。幸い当社には、経験豊富、かつ実績十分な先輩アナリストが多く在籍、更には風通し良い組織体制であり気軽に教えを請うことができます。そういった恵まれた環境下、更なる高みを目指せると考えています。そしてそれは必ず我々にとって最も重要な運用パフォーマンスに資すると考えています。
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