アナリストの眼
中国消費市場の変化
掲載日:2013年10月01日
- アナリスト
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投資調査室 舒 軼
今月初め、中国上海へ出張に行ってきました。今回の出張を通じ実感した「中国の消費市場の変化」をお伝えします。
近年、高所得者の消費は中国で急激に発展を遂げています。富裕層拡大が一つの原因ですが、政府による購入拡大も大きく影響しました。 しかし、昨年度末、習政権が発表した「八項規定」で政府からの消費はクールダウンしています。中国特有の消費形態かもしれませんが、政府の方針に従い、富裕層も必需品以外の購入を控えているものと思われます。
一方、中所得者の消費は堅調です。中間層は、すでに不動産を所有、毎年10~15%の年収の増加の恩恵も受け、消費意欲は"大変"強いです。特に、電子機器の購入、車の買い替え、海外旅行が大きな消費項目となっています。
低所得者の消費は軟調です。小売業はeコマース(電子商取引)の影響を受け、不調が続いています。また、レストランの経営不振による従業員の減給、リストラも増加し始めています。これは小売業や飲食業等の従業員の消費意欲に大きく影響しています。
今後も、現地取材をもとに市場をウォッチすると同時に、企業との個別ミーティングを通じビジネスの方向性を確認しながら、企業分析を行って参ります。過去や現在の経験を踏まえ、市場の変化を予測、ビジネス計画を遂げる企業を発掘したく思います。
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