アナリストの眼
他国企業の経営戦略を踏まえた分析
掲載日:2011年10月21日
- アナリスト
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投資調査室 鈴木 貴
今年度より、運輸(陸運、空運、倉庫)、トイレタリー(日用品、化粧品)業界を担当しています。
所謂、内需型に分類されることが多いセクターですが、経済のグローバル化、国際化と言われて久しい昨今、国内市場だけに目を向けていればいいというわけではなくなっています。つまり、本格的に海外へ進出している企業が多いということです。
例えば、化粧品・日用品を扱う企業において、海外、とりわけアジアへの進出が加速しています。既に、海外売上比率を3、4割まで高めている企業も少なくありません。今後についても、アジア各国の経済成長が想定される中、この比率が更に高まることはほぼ間違いないと考えています。
中国化粧品市場に目を向けると、近年、中国化粧品市場は年率10%以上の伸び率を記録、ある調査機関によると2010年度には約1000億元(約1兆2000億円)の規模になっているといわれています。
日本の化粧品市場は、メーカー出荷額ベースで、1兆5000億円程度。これだけ大きな市場が年率約10%のペースで伸びているわけですから、収益機会を求める企業にとって、大きなチャンスであることは明白です。
ただ、このように魅力ある市場ですので、日本企業だけではなく、P&G、ロレアルなど世界の名だたる企業がアジア市場へ参入しています。しかも、各企業が拡大を続けるアジア市場に広告宣伝費や販売促進費など、経営資源を投入し、有利なポジションを築こうと躍起になっているわけです。
規模、文化等に相違はあっても、中国市場だけではなく、アジア各国、またあらゆる品目において、似たような現象が起こっています。まさに群雄割拠するアジア市場の中で、日本企業が成功するか否かを見極めるため、各国マクロ環境や、各企業が置かれているポジションの把握はもちろんのこと、競合する他国企業の経営戦略の認識、妥当性の評価を行うことは必要不可欠です。
このような状況下、グローバルリサーチ体制を行っている弊社のリソースを大いに活用し、グローバルアナリストとの議論などを交え、確度の高い中長期予想を可能にするため、全力でリサーチ業務を行いたいと思います。
アナリストの眼
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