アナリストの眼
インターネット業界における投資の視点
掲載日:2011年03月22日
- アナリスト
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投資調査室 加藤 真二
インターネット業界を担当しております。最近でも、「Twitter(ツイッター)」が社会現象となったり、世界で6億人を超える会員数を誇るSNS(会員制コミュニティ型Webサイト)「Face book」を取り上げた映画が公開されたりと話題も豊富で、かつ変化のスピードも非常に早いです。
先日、アダム・ペネンバーグ著「バイラル・ループ」を読みました。著書では、「YouTube」、「Twitter」、「Face book」等の急拡大を遂げた多くのインターネット企業について、「バイラル(Viral:ウイルスのよう)」にユーザーからユーザーへと伝わり、ユーザーの輪が拡がり、規模が飛躍的に大きくなっていった様を、創業当初のいきさつも交えてわかりやすく解説しておりました。私もある担当企業において、SNSサイトのユーザー間の誘いあいによる利用ユーザーの急拡大、緻密なオペレーションによる収益化により、四半期で数億円程度の売上であった事業が、3ヶ月後には9倍、また3ヵ月後にはその3倍とスピードの早さを目の当たりにし、インターネット業界の醍醐味を実感したものです。
2011年も引き続き、ユーザー間のコミュニケーションをうまく活用したサービスに注目が集まるとともに、急速な普及が予想されるスマートフォンに対して、どのようなサービスを打ち出していき、各社のポジショニングがどのように変化していくのかといった観点が投資テーマとなっていくと考えます。
さらには、日本のインターネット企業による海外進出も活発になっております。例えば、楽天の欧米EC(電子商取引)企業のM&AやBaidu(中国の百度公司が提供している検索エンジン)とのJV(合弁事業)による中国進出、DeNA(株式会社ディー・エヌ・エー)による米国ソーシャルゲームプラットフォーム運営会社のM&A等々で、今後も各社の積極的な展開が予想されます。業績へのインパクトはまだまだ小さいですが、各社がこれまで日本で培ったノウハウを武器に、いかに海外でも成長していくか、大変注目しているとともに今後の業績を予想する上で、アナリストの腕の見せ所と考えております。
このようにめまぐるしく変化するインターネット業界でありますが、私もそのスピードに負けない早さで、リサーチ活動に取り組んでいきたいです。
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