トップメッセージ
今年も集中豪雨等による被害が日本各地で発生しています。地球温暖化の影響は年々顕著となり、IPCCの統合報告書にもあるように、気候危機を日常に感じるようになってきています。スウェーデンのレジリエンス研究所で提唱された、「環境」「社会」「経済」の3層構造のSDGsウエディングケーキの土台にあたる、「環境」が揺らいでいると言えます。
加えて、米中関係の緊張や、ロシア・ウクライナ情勢などの地政学リスクの高まりから、世界の分断化が進展しています。これらの構造変化を受け、世界的にインフレ傾向が強まり、欧米での高インフレに対する急激な金融引き締めが、世界の金融経済に大きな影響を及ぼしています。また、デジタル・トランスフォーメーションについても、生成型AIの登場によって、想像を超えたスピードでAIが世界を変える姿が、具体的にイメージされるところまで来ています。
企業もこのような環境変化に対して、大胆なパラダイムシフトが必要になっています。地政学リスクや世界構造の変化に対応するだけでも大仕事ですが、その土台となる「環境」の変動に対する対応も待ったなしの状況です。土台となる「環境」「社会」の大きな変化の中で、経済を成長させていくサステナブルな企業経営はかつてないチャレンジに直面しています。
ニッセイアセットではESG投資の際、良いESGの取り組みをしているだけでなく、企業収益に有機的に結び付く取り組みになってはじめて高い評価をする、いわば “ 現金なESG評価”をしてきましたが、それは真のサステナブル経営を追求する企業を見極めようとする営みでもあります。
日本は、2024年からスタートする新NISA制度を追い風として、資産運用立国を目指そうとしています。“ 貯蓄から投資へ” のパラダイムシフトが起こり、国民全体の投資が増えることは、資産運用会社にとってチャンスと言えます。同時に、顧客本位の本質を踏まえた商品提供や、その前提となる個々人の金融リテラシーを高める教育に取り組むなど、これまで以上にお客様の中長期の資産形成を支援する、資産運用業の社会的責務が増してきていると感じています。
ニッセイアセットは、「A Good Investment for the Future」をスローガンに、ビジネスを通じた社会課題の解決、サステナブルな社会の実現に貢献したいと考えています。「Good」には、お客様の運用パフォーマンスはもちろんのこと、環境や社会、当社従業員にとっても価値のある投資という意味を込めており、「Future」には、『お客様の未来』『地球の未来』『当社自身の未来』との意味を込めています。お客様をはじめとしたステークホルダーの皆様に対するフィデューシャリー・デューティー(受託者責任)を果たす中で、サステナブルな社会の実現に貢献し、ニッセイアセットがお客様にとって世界一信頼できる、世界一頼れる資産運用会社となることを目指して参ります。