金融市場ラインマーカー

米国の景気刺激策(米国雇用創出法案)内容について

2011年09月13日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 米国の景気刺激策(米国雇用創出法案)は総額4,470億ドル、雇用促進のための減税やインフラ整備事業の積み増しが柱。
  • 今後の焦点は同法案の成立を巡る与野党の議会交渉。
  • 減税については共和党の賛同を得やすいと思われる一方、支出を伴うインフラ整備は反発を受け易く、与野党の調整難航が予想される。

オバマ大統領は現地時間8日(日本時間9日)に総額4,470億ドル(約35兆円)の景気・雇用対策「American Jobs Act(米国雇用創出法案)」を打ち出しました。今後、議会審議を経て2012年からの実施に向け、遅くとも年内に成立を目指す模様です。対策の柱は給与税(社会保障税)の減税です。現行、給与税は労使が折半し納税していますが、中小企業の雇用者側に対し現行6.2%の税率を3.1%に引き下げ、また勤労者側も現行4.2%の税率を3.1%に引き下げます。これは標準的な収入(年収5万ドル)の世帯で年間1,500ドルの減税になる模様です。対策実施の財源は、歳出増に批判的な野党共和党に配慮し、国債の増発ではなく、富裕層への増税や社会保障見直し等の歳出削減で捻出するようです。この歳出削減案は19日に議会に提示される模様です(表1)。

今後の焦点は、議会審議の行方ですが、減税については野党共和党に支持が得やすい(共和党のカンター下院内総務は、雇用者側の給与税減税案に支持を表明)と思われる一方で、インフラ整備等は野党共和党の反発を受けやすく、与野党の調整は難航しそうです。

表1:景気刺激策(American Jobs Act)内訳

(10億ドル)

出所:各種報道を基にニッセイアセットマネジメント作成
減税 70
雇用者側の給与税減税・新規雇用に対する減税
給与支払い総額500万ドル以下の中小企業の給与税6.2%を12年に一時的に3.1%に。
新規雇用や賃上げで給与支払い総額が増加した企業は、増加分につき翌年度に5,000万ドルまで給与税雇用者負担分を全廃。
65
企業設備投資の100%償却を認める 5
インフラおよび州・地方政府への支援 140
教員・警察・消防士の再雇用支援 35
学校の改修 30
道路・鉄道・空港へのインフラ投資 50
インフラ投資を促進するためのインフラ銀行の設立 10
空き地・空き施設の開発および修繕・復旧 15
失業救済 62
失業保険給付の延長 49
長期失業者の雇用に対する税控除 8
若者及び成人の職業訓練および雇用プログラム 5
・11年末で期限切れの給与税減税の1年間延長
・給与税率の引き下げ(現行4.2%→3.1%)
175
総額 447

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