金融市場ラインマーカー

米国株下落について

2011年08月19日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 米国株価の価格特性だけを見れば、月間で下落率が前日比4%を越える日が3日以上ある局面は、過去の金融危機局面の渦中においてのみ見られる現象であり、現状の株価はややオーバーシュート(過剰反応)との見方もできる。
  • 米国2年30年利回り格差がマイナス域に入ると、時間差をおいて米国内総生産(GDP)が減速し米株価が下落する傾向が見られる。この観点で見れば現状の米景気2番底懸念や、株価の下落はやや悲観的な反応とも見られる。

表1

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

米国景気の6ヵ月~1年先を織り込むと言われている米株式市場が7月下旬以降、高値から約17%下落しています。8月初旬には、前日比4%を越える下落率を記録したのが3日間もあります。歴史的に見て、前日比で4%を越える下落日が、月間で3日以上あったのは、1987年10月のブラックマンデーと2008年~2009年の世界金融危機局面のときだけです。これは、現在のような通常の景気循環局面においては具現化したことがない現象です。しかし、現状の株価のプライスアクションは、金融危機の渦中であるかのような動きをしており、足元の環境を過去と比較して考えると、現状の株価下落の特異性が目立ちます(表1)。

グラフ1

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

過去の株価下落局面は、景気の先行指標と目されている米2年30年国債利回り格差がマイナス域にある局面(先行きの景気減速を示唆)で具現化しています。今局面において同指標はマイナス域に程遠く、現状が通常の景気循環局面だとすれば、足元の株価下落は、ややオーバーシュート(株価の過剰反応)と見ることもできます(グラフ1)。

グラフ2

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

米2年30年国債利回り格差がマイナス域にある局面では、時間差をおいてGDPが減速する傾向が見られます。現状の株価下落は米国景気の2番底懸念を反映しているとの見方もありますが、同指標はプラス域にあり、過去との比較においては、GDPの減速を示唆していない模様です(グラフ2)。

米国の財政問題や欧州の重債務問題は金融危機の火種として燻り続け、留意は必要ですが、リーマンショックのような本格的な金融危機に発展しなければ、株価は、この問題を消化し緩やかに回復してゆくものと考えられます。

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