金融市場ラインマーカー

新興国の金融政策と株価の関係

2011年06月21日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 年初来の新興国株価パフォーマンスの優劣に大きな影響を与えた要因の一つは、金融政策の差異が挙げられる。
  • 年初来の株価パフォーマンスでは、利上げ観測の市場織り込みが高い国や信用拡大に過熱感のある国の株価パフォーマンスは低い一方、利上げ観測の市場織り込みが低く、信用拡大に過熱感がない国の株価パフォーマンスは高い傾向にある。

年初来の各新興国の株式市場のパフォーマンスを見るとハンガリーやポーランドが他の新興国を大きく上回る結果になりました(グラフ1)。その背景の一つには、金融政策のスタンスの相違が挙げられます。一般的に金融引き締め政策は株式市場にとってマイナスである一方、金融緩和政策はプラスと考えられています。その観点で、グラフ2を見ると、株価のパフォーマンスが相対的に高いハンガリーの政策金利は当面引き締め無し、と市場は見込んでいることがわかります。また、ポーランドは、短期での利上げ観測はあるものの、中期的には利上げの打ち止め感があります。6ヵ月先から1年先の市場を織り込むと考えられている株式市場は、これを反映し、ポーランドの株価はハンガリーに次いで相対的に高いパフォーマンスを示しています。

グラフ1:年初来の各新興国の株式市場の推移(年初=100で指数化)

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ2:先行きの政策金利変更幅の市場織り込み

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ3:名目GDP成長率とプライベートセクター向け信用の伸び

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

一方で、パフォーマンスが劣後した国はグラフ3に見られる通りに、信用に過熱感があり、またコモディティ価格の上昇を受けたインフレ懸念から、利上げ圧力が強い状態にあります。特に、トルコは成長率に対して、信用創造の伸びが過熱しており、利上げ観測は高く、その分、株式市場のパフォーマンスも相対的に悪い結果になりました。

インフレへの懸念が世界的に台頭する中、今後の新興国の株式市場のパフォーマンスを左右する上で重要な要素の一つは「各国の金融当局がインフレをコントロールした上で、健全な経済成長ペースが維持されるかどうか」です。これが実現可能と見込まれる国の株価は、今後も良好なパフォーマンスとなる可能性が高いものと見られます。

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