金融市場ラインマーカー

投資家のリスクに対する投資姿勢について

2011年05月26日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 現在の市況は、投資家のリスク回避姿勢が本格化したと考えるよりも、むしろ、小幅なリスク選好を続けつつ、次の大きな投資機会を狙い、資金を待機させていると考えられる。
  • リスク性資産の価格や残高は、現状の調整局面を経て、この先緩やかに上昇基調となると考える。

グラフ1:エマージング債券指数とリスク性資産

出所:ブルームバーグ、ニッセイ基礎研のデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

コモディティやエマージング株に代表されるリスク性資産が5月3日を境に下落しており、投資家のリスク回避姿勢が本格化しているとの見方が一部でされています。通常、リスク回避姿勢が本格化する際には、エマージング株やコモディティに加え、エマージング債券も下落する傾向があります(グラフ1、点線(1))。しかし、現在の市況は、コモディティやエマージング株が下落する一方、エマージング債券はむしろ上昇しています(グラフ1、点線(2))。これを見る限り、投資家のリスク回避姿勢が本格化したと考えるより、むしろ小幅なリスク選好は続けつつ、次の大きな投資機会を狙い、資金を待機させているといった印象を受けます。

グラフ2:MMFとリスク性資産

出所:ブルームバーグ、ニッセイ基礎研のデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

本格的なリスク回避局面の代表であるリーマンショック時の局面では、全てのリスク資産が大幅下落する一方、安全資産の代表である米MMFに資金が大量に流入しました。現在の市況では、リスク資産が下落する一方、米MMF残高は低位横ばい推移を続けています(グラフ2)。

グラフ3:米国MMFとS&P500

出所:ブルームバーグ、ニッセイ基礎研のデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

米国国内を見ても、リーマンショック時の局面とは様相が大きく異なります。S&P500が調整する一方、リスク回避的に米MMFに資金がシフトしている兆候は見てとれません(グラフ3)。

グラフ4:米国投資信託資金流入動向

出所:ブルームバーグ、ニッセイ基礎研のデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

米国投資信託の資金流入傾向を見ても、投資家のリスク回避的行動は観測されません。現在の市況で、リスク性資産の下落が始まった5月3日以降も、米国の投資家はエマージング諸国株を含む外国株投信ファンドに資金を投資し続けています。実際、5月4日以降、5月11日までの間に約43億ドルの資金が国内株投信から流出する一方、約14億ドルの資金が外国株投信に流入しています。これを見る限り、リスク選好姿勢はくすぶり続けているようです(グラフ4)。

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