金融市場ラインマーカー

ブラジルの金融政策とブラジルレアルの動向について

2011年05月25日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 利上げの累積効果とブラジルレアル高から鉱業部門は減速。内需も過熱感が薄れつつある印象を受ける。
  • 今後の金融政策は、これまでの利上げ効果を慎重に見極める局面に入る事が予想され、利上げ局面は一旦踊り場へ。
  • ブラジルの金融当局はインフレ抑制の観点から、秩序を持ったブラジルレアル高は容認するものと考える。

ブラジルレアルは、相対的な金利水準の高さと、やや加熱気味とも言える内需を受けた資本流入等を背景に堅調推移しています(グラフ1)。これに対し、ブラジル金融当局は、通貨高による国際競争力の低下を牽制するために、グラフ2に見られるように、相次いで通貨高抑制策を打ち出すと同時に、ブラジルレアル売りの介入を実施してきました。外貨準備高の急激な増加は介入実施の結果と考えられます。

グラフ1

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ2

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ3

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

通貨高抑制の傍ら、インフレ懸念が台頭しており、ブラジル金融当局は約1年前(2010年4月末~11年5月末迄)から合計2.5%の利上げを実施してきました。この利上げ効果もあり、足元で加熱気味だった内需に頭打ちの傾向が見られるようになり、また企業部門の景況感にも減速感が見られます(グラフ3)。2011年3月までのブラジル中央銀行の一回の利上げ幅は0.5%~0.75%でしたが、4月20日の利上げ幅は0.25%に縮小されています。この変化もあり、市場参加者の一部は利上げ局面が最終段階に来ているとの見方を強めている模様です。

グラフ4

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

この見方を反映してか、市場が織り込む先行きのブラジルの利上げ幅は、他の一部のエマージング諸国に比べると緩やかなものになっています(グラフ4)。

ブラジル財務相は、レアル高を受けた国際競争力の低下には一定の懸念を表明しつつも、一方で、「年内のレアル高傾向を変えることは不可能に近い」と表明しています。このことは、当局の姿勢が従来の通貨高抑制から、ある程度の通貨高を容認することを通し、インフレ抑制に軸足が移ったことの現われとも考えられます。この先、ブラジルレアルは秩序ある高値圏での推移を見込みます。

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