金融市場ラインマーカー

国内金利の上昇は続かず低位安定方向に

2011年02月22日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 国内銀行を中心とした債券ポートフォリオのポジション調整圧力(金利上昇圧力)は一巡方向に。
  • 日銀による金融緩和政策の継続を予想する中、マクロ・金融政策から金利の低位安定を予想。

グラフ1

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

日本の銀行は国債売買シェアにおいて、約4割を占める最大の投資主体です。また、米国債券をはじめ海外債券市場でも活発に売買をする投資主体でもあります。米国金利を発端とした現在の金利急上昇で、国内銀行は海外債券のリスク圧縮を急激に進めると同時に、国内債券のリスク量も一斉に圧縮しました。このため銀行の海外債券の売越し局面と日本の10年国債利回りの上昇局面がリンクする傾向が見てとれます。これが昨年末以降の長期金利上昇要因の一つと考えられます。ただし、今年に入り、銀行の海外債券売買金額は約200億円の買い越しに転じており、急激なポジション調整の一巡をうかがわせます(グラフ1)。

グラフ2

出所:住宅金融支援機構のデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

国内家計は金利の低位安定を見込んでいるのか、昨年末以降、長期金利が上昇する中でも、変動金利での住宅ローン利用割合が約44%と高水準のシェアを維持しています。家計・実体経済は依然、金利の上振れを示唆していない模様です(グラフ2)。

グラフ3

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

主要金融機関による日本の10年国債利回りの予想平均値を見ても、金利の低位安定が見込まれています(グラフ3)。

グラフ4

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

1月27日にS&P社は日本国債の格付けをAAからAA-に一段階引き下げました。また、ムーディーズ・インベスターサービスは2月22日に、同AA2の格付け見通しを、安定的からネガティブに変更しました。このことは通常、金利上昇圧力ですが、信用リスクの代替指標である、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)のスプレッドを見ると、最上位格付けを有するフランス(AAA)よりも、格付けの低い日本の国債はより、安全だと見られています。この点だけを見ると、今のところ、日本の財政不安・格付け問題は金利上昇圧力になっていない模様です(グラフ4)。

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