金融市場ラインマーカー

金融政策の相違と為替の関係(日米緩和・豪州引き締め)

2010年09月24日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 金融政策の乖離が一部の通貨間の強弱関係に反映され始めた。
  • 日米は緩和継続、豪州は引き締め傾向にあり、豪ドル優位な環境に。

豪州準備銀行が「経済が潜在成長率かそれを上回るペースで拡大を続けると更なる利上げが必要になる公算が強い」との見解を示す一方、9月21日のFOMC(米国連邦公開市場委員会)では「必要であれば、景気回復を下支え、長い目で見てインフレを目標とする水準に戻すべく追加緩和措置の準備がある」との声明を発表しました。これを受けて、連邦準備制度理事会(FRB)による米国債の買い入れを通じた量的緩和観測が台頭し長期金利の低下圧力となっています(グラフ1)。日銀は、為替介入資金の非不胎化(介入によって市場に供給した資金を放置する)等を通して、量的緩和度合いを幾分強める対応を行っています。

経済全体の需要と供給の差である需給ギャップは、マイナス幅が大きいほど、物価低下圧力・デフレ圧力が強く、金融政策は緩和圧力が強いことを示唆します。この観点から見ても、豪州の金融引き締め傾向、日米の金融緩和傾向が示唆されています(グラフ2)。

グラフ1

出所:IMF、ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ2

出所:IMF、ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

今後1年間で織り込まれている日米の政策金利変化幅の格差とドル/円を見ると、足元、米国で更なる量的緩和観測が台頭しているため、円高圧力がかかりやすくなっています(グラフ3)。これを牽制しているのが、政府・日銀の為替介入です。日本の通貨当局は、非不胎化介入(介入で市場に供給した円資金の放置)等、事実上の量的緩和を通じ、市場の金利低下を促し、介入の効果を高めようとしている模様です。

今後1年間で織り込まれている日豪の政策金利変化幅の格差を見ると、豪州は日本と異なり、利上げ観測が強く、この織り込みが進んでいます。これを反映し、豪ドル/円は約4ヶ月ぶりの高値を示現しました(グラフ4)。

グラフ3

出所:IMF、ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ4

出所:IMF、ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

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