金融市場ラインマーカー

西欧諸国の銀行の信用リスクとエマージング株の関係

2010年06月08日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 西欧諸国の銀行のエマージング諸国向け貸付シェアは大きく、南欧債務危機の深化は、世界的な信用リスクの拡大につながる可能性。
  • 世界の中央銀行は、このリスクを未然に防ぐため、共同してあらゆる手段を講じるものと考える。
  • 英国、ドイツ、フランス、スイス、 オーストリア、オランダ、ベルギー等

南欧諸国の財政問題を受け、同地域向け債権を多く保有しているドイツ、フランス、スイス等、西欧諸国の銀行の信用リスク拡大の思惑がくすぶり続けています。南欧諸国発の債務危機が更に拡大すると、西欧諸国の銀行が世界的に与信を減らし、同行の貸付シェアが特に大きいエマージング諸国(グラフ1、2、3)の流動性・信用リスクが高まる可能性があります。この思惑を視野に入れてか、欧州の金融機関の信用の質の代替指標(マークイットiTraxx金融指数)が劣化するのに伴い、エマージング株を中心に、世界の株価の軟調推移が続いています(グラフ4)。西欧諸国の信用市場におけるプレゼンス(存在)の大きさゆえに、世界の中央銀行は、欧州発の貸し渋り・信用リスク拡大を未然に防ぐため、共同してあらゆる手段を講じるものと考えます。

グラフ1

出所:BISのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成
  • 表示桁未満の数値がある場合、四捨五入で処理しています。

グラフ2

出所:BISのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成
  • 表示桁未満の数値がある場合、四捨五入で処理しています。

グラフ3

出所:BISのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成
  • 表示桁未満の数値がある場合、四捨五入で処理しています。

グラフ4

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成
  • MSCI株価指数は、2010年1月1日を100として指数化

グラフ5

出所:2010年5月31日発表のECB金融安定報告書より ニッセイアセットマネジメント作成
  • GDP見通しは10年3月時点

欧州中央銀行(ECB)は、5月31日に発表したレポートで、ユーロ圏の銀行が2011年に最大で1050億ユーロの評価損・貸倒損失の計上を迫られるとの予想を発表しました(グラフ5)。 ただし、ユーロ安の恩恵を受けた景気の回復を前提にすれば、評価損の計上額は逓減してゆく見込みです。ECBが見込む景気回復と、各国の財政再建努力が両立するケースにおいて、銀行の経営環境の緩やかな改善が示され、ユーロ圏発の信用リスクの伝播リスクは後退し、世界的なリスク回避姿勢も収束するものと考えます(グラフ5)。

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