金融市場ラインマーカー

ユーロについて

2010年05月24日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • ギリシャ向け債権を保有している各国金融機関に対する信用リスク懸念は、ユーロ当局の緊急対応策を受け、落ち着きを見せている。
  • ギリシャ国債の金利低下や信用懸念の落ち着きをよそに、ユーロは軟調。為替市場特有の過剰反応か否かに注目が集まる。

グラフ1

出所:BISのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

ギリシャの財政問題を受け、ギリシャ向け債権を保有している各国の金融機関(グラフ1参照)に対する信用リスク拡大の思惑が台頭しました。最大7500億ユーロの安定化基金創設後も、対ギリシャ向け債権を多く保有する、フランス、スイス、ドイツを代表する銀行株の軟調推移(グラフ2参照)や信用不安の代替指標であるTEDスプレッド(※)が、小幅ながら信用不安を示唆する方向に振れているのは、その思惑がくすぶっていることの表れといえます(グラフ3参照)。それ以上に、ユーロは、くすぶる信用不安の格好の矛先となり、緊急対策の発動後も軟調推移となっています。

  • 3ヶ月物米短期国債(T-bill)と3ヶ月ユーロドルLibor(ロンドン銀行間市場金利)との金利差

グラフ2

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ3

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ4

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成
  • スペイン、ギリシャ、ポルトガル、 アイルランドの合計

5月9日にEU財務相理事会はIMF寄与分を含め、約7500億ユーロの緊急融資枠を設定しました。また、欧州中央銀行(ECB)による国債買い入れ策が打ち出されました。融資枠の規模については、2010年5月~2015年12月までのアイルランド、ポルトガル、ギリシャ、スペインの財務省証券と国債の償還額合計をも上回り、セーフティネットとしてのインパクトは大きいものと考えられます(グラフ4参照)。

グラフ5

出所:各種報道資料のデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

ユーロ圏民間銀行の対外債権全体に占める対ギリシャ債権の比率は低いため、問題がギリシャ一国で収束すれば信用不安もいずれ収束するものと思われます。そのため、国債信用不安がギリシャから他国、特にスペインに伝播しないよう、ユーロ圏当局は政治主導で意欲的に取り組むものと考えます(グラフ5参照)。

グラフ6

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

5月9日の緊急対策の発表を受け、ギリシャ国債の金利は急低下し、ドイツ国債との金利差も急速に縮小しました。しかし、同指数と連動性高く推移してきたユーロ/円は足元、連動せずに下落しています。これが為替市場特有の投機的動きなのかどうか注意して見る必要があります(グラフ6参照)。

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