金融市場ラインマーカー
タイの金融市場について
2010年05月19日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
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- タイの政局不安はタイ固有の問題として注意が必要だが、通貨市場では、ユーロの財政問題の影にかくれ、タイバーツの下落は限定的。
- タイの株式市場は良好なファンダメンタルズに支えられて上昇してきた。政局混迷の長期化は同市場のマイナス要因に。
タイの政局不安により、通貨市場はじめ一部の金融取引に混乱が起きているとの報道や、不透明な政局もあり、同市場に対する懸念も広がっているようです。しかし、タイの非常事態宣言(4/7)以降の各通貨の対円パフォーマンスを見ると、タイバーツの下落は限定的であり、通貨市場の関心は、むしろユーロの財政問題に集まっている模様です(グラフ1参照)。
グラフ1

グラフ2

タイ非居住者のタイ株式投資は売り越し超過に転じました。しかし、売り越し額が拡大したのは、非常事態宣言のタイミングではなく、むしろユーロの財政問題が拡大した直後となっています。タイの株式市場の軟調推移は、タイ固有の問題に大きく起因したというよりも、むしろユーロ問題を契機としたリスク回避行動によるところが大きいと言えます(グラフ2参照)。
グラフ3

タイの株式市場は、良好なファンダメンタルズに支えられて上昇してきました(グラフ3、4、5参照)。アジア地域全般の堅調な経済から今後もこの傾向は継続するものと見込まれますが、政局の混迷が長期化すると景気の足を引っ張ることになりそうなので、その動向には要注意です。
グラフ4

グラフ5

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