金融市場ラインマーカー

ユーロについて

2010年04月27日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 約10年程前のブラジルや韓国のように、ギリシャもIMF等の監視下、厳しい財政改善策を励行し健全化への道を辿れるのか要注目。
  • ユーロ安は時間差をおいて、ユーロ圏の景気回復に貢献しよう。

グラフ1

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

4 /23にギリシャはIMFとユーロ当局に約450億ユーロの緊急支援策の発動を要請しました。その内訳は、ユーロ圏が期間3年で300億ユーロを固定金利約5%で、IMFは150億ユーロを貸し付けるという内容です。この背景には、ギリシャの金利が上昇し、同国の借り入れコストの上昇に歯止めがきかなくなったことが挙げられます。金融支援策の発動により、5月19日に予定されている約85億ユーロの国債償還資金の調達には目処が立つものと考えられます。しかし、緊急支援要請が発表された後も、ギリシャの金利は依然、高止まりを続けています。その背景には、(1)支援策の効果に対する懸念(景気の悪化等から、財政赤字削減が予定通り進まない場合、追加支援が必要になるのでは?との懸念)、(2)支援金額の負担が大きい独(グラフ1参照)を中心に、支援策に対する世論の反感が高まっており、支援策負担を巡る各国での議会承認までに時間がかかるとの思惑が挙げられます。緊急支援を受けたギリシャは財政赤字の改善に向けてIMFや欧州当局の厳しい管理下に置かれることになります。目先はこの影響からギリシャの経済活動の低迷が予想されます。しかし、1997年~1998年当時のブラジルや韓国がIMFの緊急支援後、IMFの監視下で、厳しい財政健全化策を励行し、現在、財政規律の整った優良国に変貌した道程をギリシャも辿れるのか要注目です。

現在の為替市場の注目点はギリシャ問題一色となっており、これを背景にユーロは下落しています。その水面下ではユーロ安による輸出の回復に主導された景気好転の兆候が見られます。ユーロ圏内最大の輸出国であり、最大の経済規模を誇る独の今後6ヶ月の輸出期待指数は急速に高まっています。過去を見るとユーロ安に時間差を置いて、独の輸出期待指数は上昇していることがわかります(グラフ2参照)。これはユーロ安がユーロ圏輸出企業の価格競争力にプラスに寄与するからだと考えられます。グラフ3でもユーロ安とユーロ圏の輸出の回復の連動性が観測できます。ユーロ安を受けた輸出の回復は企業の景況感のみならず、GDPの改善にも好影響を与えてきました(グラフ4、5参照)。現状のユーロ安は時間差を置いてユーロ圏の景気回復に貢献するものと考えます。

グラフ2

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ3

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ4

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ5

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

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