金融市場ラインマーカー

インドの利上げについて

2010年04月23日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • インフレ懸念の台頭を受けて、インド準備銀行(RBI)は、景気刺激からインフレ抑制に軸足をシフト。
  • RBIは今後、インフレ抑制のために、インドルピー高圧力に対し寛容になる可能性が視野に入る。

グラフ1

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

インド準備銀行(RBI)は4/20に政策金利であるレポ金利(RBIが市中銀行へ適用する貸し出し金利)とリバースレポ金利(RBIが市中銀行から資金を吸収する際の金利)を共に0.25%引き上げ、それぞれ5.25%、3.75%としました。また、預金準備率(市中銀行がRBIに預け入れることを義務付けられる預金比率)も5.75%から6%に引き上げられました(グラフ1参照)。利上げの背景としては、構造的な供給不足の中、2009年半ばからの歴史的な干ばつを受けた農産物や食品価格の上昇(グラフ2参照)に加え燃料価格の上昇など、供給サイドからのインフレ圧力、および、輸出や鉱工業生産の回復など、堅調な景気動向(グラフ3参照)を受けた需要サイドからのインフレ圧力が徐々に高まる懸念が挙げられます。インドの食料自給率は100%近く、干ばつは農業部門の生産の急減に直結し、農産物価格の上昇に跳ね返ります。

グラフ2

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ3

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

インド当局は政策の軸足を景気刺激からインフレ抑制にシフトしたと考えられます。そうなれば、輸入インフレの抑制を意図し、インドルピー高圧力に寛容になる可能性があります。RBIは通常、輸出での国際価格競争力を維持するため、海外からの資金流入を受けたインドルピー高圧力の緩和を意図し、管理変動相場制の基で為替介入(インドルピー売り/外貨買い)を実施します。これは経済効果としては市中にインドルピーを供給することになるため、金融緩和と同じ効果ともいえます。ですから、インドにおける金融引き締め効果は緩やかなものに留まるのかもしれません。ただ、この先、金融引き締めを続けながら、インドルピー高を為替介入で食い止め続けていると、物価上昇圧力が高まることになってしまいます。そこで、インフレ抑制に軸足が置かれた今後は、ある程度のインドルピー高を容認する可能性が視野に入ります。インドルピーは非居住者による対インド証券投資に支えられて上昇してきました。また、景気回復を背景とした海外からの資金流入にインド株は支えられて上昇してきました(グラフ4、5参照) 。景気回復や、ある程度の金利上昇を見込んだ海外からの資金流入に支えられたインドルピーへの好環境が今後も続くのか要注目です。

グラフ4

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ5

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

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