金融市場ラインマーカー

シンガポールの通貨切り上げの背景とアジア通貨への影響

2010年04月20日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

2011年6月以降のレポートはこちらから

金融市場動向

  • シンガポールの高水準の成長と通貨高容認姿勢はシンガポールドルの支持要因。
  • シンガポールの予想外の通貨切り上げは中国の切り上げ観測を高め、アジア通貨にはプラス材料。

シンガポール金融通貨庁(MAS)は4/14に予想外の引き締め姿勢を表明し、シンガポールドルの名目実効相場の変動幅を切り上げるとともに、貿易加重ベースでの同レートを徐々に高めに誘導する方針に転換しました。MASは国内価格の安定維持のために、通貨の貿易加重バスケットに対してシンガポールドルの名目実効為替相場(S$NEER)を一定の変動バンド内に収めるように為替市場に介入します。通貨バスケットの構成や変動バンドの幅は正式には未公表ですが、各金融機関が推定ベースで変動幅を公表しています(グラフ1参照)。今回の措置は、この変動幅の切り上げです。切り上げの背景には、高いGDP成長率の見通しとインフレ圧力の台頭が挙げられます。ちなみに、シンガポールのGDPとシンガポールドル/円は基調としては連動性が高く推移する傾向があり、今後の経済成長の高さや中国に先駆けて実施された通貨切り上げなどはシンガポールドルの支持要因と考えられます(グラフ2参照) 。

グラフ1

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ2

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ3

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

シンガポールドルの切り上げを受けて、中国元の切り上げに関する思惑も高まっている模様です。中国元の1年物先物相場と現物相場の関係を見ると、この先1年で現物が約3%元高に振れるとの市場の見通しを示唆しています(グラフ3参照)。アジア通貨指数の中で最大のウェイト34.25%(ブルームバーグ・JPモルガンアジア通貨指数)を占める中国元の上昇観測は、同シンガポールドル(10.37%)の上昇と合わせてアジア通貨全般の上昇観測を高めることになります(グラフ4、5参照)。

グラフ4

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ5:アジア通貨指数の構成ウェイト

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

金融市場ラインマーカー一覧へ

「金融市場ラインマーカー」ご利用にあたっての留意点

当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。

【当資料に関する留意点】

  • 当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
  • 当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。
  • 当資料のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないので、表示することができません。
  • 投資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。