金融市場ラインマーカー

日本の個人マネーと主要エマージング諸国通貨

2010年03月19日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 日本の個人マネーの対外証券投資が活発化するための条件の一つは、家計の景況感改善が挙げられる。
  • 家計の景況感は緩やかに改善しており、これに連れ、投資家のリスク許容度が高まった場合は、エマージング諸国に注目が集まろう。

グラフ1

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

投資信託協会のデータによると、2月末の外貨建て投資信託の純資産残高は2700億円弱となっており、金融危機さなかの約1年前と比較すると+32%の回復となりました。ただ、月間での投資信託を通じた個人マネーの海外への流出額は、ここ10年ほどのピークの約10分の1以下の規模しかないため、円安の原動力にはなっていない模様です(グラフ1参照)。

グラフ2

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

日本の個人マネーが投資信託を通じて海外に流れ、円安の原動力になる条件の一つは家計の景況感が改善することです。過去、家計の景況感(景気ウォッチャー調査)と投資信託を通じた対外証券投資の動向は連動性高く推移してきました。足元、家計の景況感は、改善傾向にあり、これが個人マネーの海外投資を促すのか要注目です(グラフ2参照)。

日本の個人投資家は、投資信託を通じて、どの国・通貨への投資を選好しているのでしょう?結論を先に言うと、米・ドルや豪・ドルへの偏重が顕著です。米・ドルに関しては、機軸通貨としての側面や流通性の観点からすれば、ある意味整合的です。また豪・ドルは高金利選好の表れなのでしょう。エマージング諸国の中ではブラジル・レアルが選好されています。これには、主要エマージング諸国通貨の対円パフォーマンスの高さも反映されているのでしょう(グラフ3、4参照)。
ブラジル・レアルは主要エマージング諸国通貨の中で、先ほどの対円パフォーマンスの高さや投資信託を通じた投資割合の高さから、ある意味整合的な通貨といえます。これに対して、通貨パフォーマンスが10%を越えるような高位にある一方、投資信託を通じた該当通貨への投資割合が低位な国の通貨、例えば、ニュージーランド・ドル、南アフリカ・ランド、インドネシア・ルピア、韓国・ウォンなどは、前述のように日本の家計が改善する中で個人投資家のリスク許容度が高まった場合、投資信託を通した投資割合が増加する可能性がある通貨群として要注目です。

グラフ3

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ4

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

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