金融市場ラインマーカー

世界の財政規律について

2010年03月16日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 先進諸国に比較して、アジア諸国やエマージング諸国の一部の国の財政は健全化している。

グラフ1

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

ギリシャの財政規律問題から世界的に財政収支や政府債務の健全性に市場の注目が集まっています。グラフ1は、各国の財政収支の対GDP比(2010年IMF予想ベース)、グラフ2は政府債務残高の対GDP比(2010年IMF予想ベース)ですが、先進諸国の財政規律が乱れている一方、約10年~15年ほど前にデフォルト(債務不履行)を含む金融危機的な状況となり、IMFの支援(グラフ3参照)を受けたブラジル、メキシコ、韓国、インドネシア等が今や、財政規律が健全化していることがわかります。
2010年のIMFのGDP成長率予想によると、先進諸国が2.1%なのに対し、エマージング諸国(※1)が6.0%、アジア諸国では、中国10.0%、NIEs(※2)4.8%、ASEAN-5(※3)4.7%とされており、エマージング諸国やアジア諸国は先進諸国と比べて、経済状況と財政規律の健全性が優位な状況となっています。

  1. エマージング諸国:中南米、東南アジア、中国、インド、東欧、ロシアなど、成長段階の初・中期に位置する国や地域。
  2. NIEs:韓国、台湾、シンガポール、香港
  3. ASEAN-5:インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム

グラフ2

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ3

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ4

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

ブラジルは1998年に財政収支赤字の対GDP比が約-8%に達し、海外資本がブラジルから急激に流出しました。通貨当局はブラジルレアル買いの市場介入を行い、外貨準備が激減し、対外債務の外貨準備高比率が一時、800%を越えました。そして、債務不履行(デフォルト)に至る直前の1998年11月にIMFの資金支援を受けました。その後、IMFの支援条件である、厳しい財政健全化策を励行し、現在は財政規律の整った優良国に変貌しています。

グラフ5

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

韓国では、財閥企業の経営悪化を受け、財閥企業への銀行融資が焦げ付いた結果、金融機関の経営が悪化し、海外資本が韓国から急激に流出しました。通貨当局は韓国の通貨を買い支えるため為替介入を行い、外貨準備が激減したため、短期対外債務の外貨準備比が700%を越え、債務不履行(デフォルト)に至る直前の1997年11月にIMFの支援を受けました。その後、IMFの支援条件である、厳しい財政健全化策を励行し、現在は財政規律の整った優良国に変貌しています。

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