金融市場ラインマーカー

アジア諸国の金融政策とアジア株の関係

2010年02月22日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

2011年6月以降のレポートはこちらから

金融市場動向

  • アジア諸国の一部(中国、インド等)は金融引き締めを行っているが効果は限定的であり、依然として景気刺激的な環境。
  • 景気刺激的な金融政策を背景に通貨供給量は高原状態であり、アジア株は高値圏での揉み合いが続いている。

グラフ1

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

景気の加熱やインフレへの警戒から中国やインドでは民間金融機関が中央銀行に預け入れる資金の預金準備率の引き上げを決定し、実質、金融引き締め局面入りしています。一方、アジア諸国の中には、インド、タイ、韓国のように消費者物価の伸びが政策金利を上回っている国があります(グラフ1緑囲い部分参照)。これらの国は、景気が回復し、インフレ懸念が醸成されつつある中でも、依然として景気刺激に軸足を置いた金融政策を続けている国です。インドは金融引き締め局面にはありますが、消費者物価の伸びと政策金利の関係を見ると、依然として景気刺激的な環境にあるように見えます。中国では、消費者物価の伸びが、政策金利よりも低く抑えられており、一見すると景気・インフレ抑制的に見えますが、金融引き締め効果は中国の現行為替制度である管理フロート制(人民元相場を前日比0.3%までの変動幅に収束させる)の下では限定的と考えられています。なぜなら、海外から流入する資金を背景とした、人民元高圧力を抑えるために、管理フロート制のもと、中国人民銀行がドル買い介入をして、人民元高圧力を吸収します。このため、対価である人民元が銀行部門に供給され、実質、金融緩和をしているのと同じ効果になってしまうからです。通常、金融緩和に伴い市場に出回る通貨供給量が多いと、それはいわゆる「金余り」状態を作りだし、その、余資が株式市場に代表されるリスク資産に流れやすい土壌を作ります。

依然として景気刺激的な金融環境になっている、インド、韓国、タイ、中国等の通貨供給量(オカネの供給量)は高原状態が続いています。これに連動し、各国の株式市場も堅調推移が続いています(グラフ2、3、4、5参照) 。中国では、前述の通り管理フロート制のメカニズム上、金融引き締め局面であるにも関わらず、事実上の追加金融緩和が行われているのと同じ効果になっており、自国株式市場はもとより、アジア全体の株の上昇にも寄与しています(グラフ5参照)。韓国は、中国と異なり、為替は自由変動制ですが、海外からの資金流入を背景とした韓国ウォン高を抑制するために、外貨買い介入が頻繁に行われ、その対価として韓国ウォンが市場に供給されるという事実上の追加緩和が行われています(グラフ3参照)。このため、アジア諸国の金融政策は、依然として、緩和的との声があります。

グラフ2

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ3

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ4

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ5

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

金融市場ラインマーカー一覧へ

「金融市場ラインマーカー」ご利用にあたっての留意点

当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。

【当資料に関する留意点】

  • 当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
  • 当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。
  • 当資料のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないので、表示することができません。
  • 投資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。