金融市場ラインマーカー

日本株の出遅れ感と外国人投資家の日本株買い越し

2010年01月21日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 外国人の日本株買い越し傾向は年初に増加
  • 外国人が日本株買い越しに転じる背景の一つには「日本株の出遅れ感」がある模様
  • 現在の経済環境は、1998年~99年の悲観一色に似ているが、その環境の中、当時、外国人は日本株買い越しに転じ、株上昇を先導

グラフ1

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

昨年年初からの日本株のパフォーマンスを見ると、エマージング株を中心に世界の株式市場が回復する中、日本株のみ出遅れ感が顕著です(グラフ1参照)。日本株の売買シェアが最大の外国人は、高成長が見込まれるエマージング諸国を中心に積極的な投資を行う一方、低成長国である日本の株はパッシング(素通り)しているとの報道が盛んに行われてきました。
しかし、今年に入り、外国人の1月第一週の買い越し額が約5年10ヶ月ぶりの高水準を記録しました。売買シェアが最大(グラフ3参照)である外国人の「買い越し転換」は過去、日本株の上昇のエンジンとなってきたため、今後の株式市場の方向性を占う上で注意が必要です(グラフ2参照)。例えば、1999年の株価回復の局面を先導したのは外国人投資家でした。当時の日本は、バブル崩壊後の金融不安に対し公的資金投入の決定やゼロ金利政策で経済危機を乗り切ろうと模索していた時期で、現在と同じく経済は悲観一色でした。ところが外国人はこの局面で「日本株の過小評価/出遅れ感」を打ち出し、日本株を買い越しはじめたのです。この動きが当時の日本株上昇を先導しました。今局面も同じことが起きるのか要注目です。

グラフ2

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ3

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ4

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

冒頭でも述べましたが、世界各国との成長率の対比で、日本の成長率は今や低位の分類に入ります。このような低成長国の株に外国人が目を向けるとすれば、その要因の一つは「出遅れ感」かもしれません。例えば、米国株と比較した日本株の出遅れ感を示唆するTS倍率(TOPIX/S&P500)は、ここ約50年間での最低水準に低下しており、日本株の米国株に対する出遅れ感が顕著となっています。過去、同数値が1を下回る局面(グラフ緑ライン部分)は外国人の日本株買い越しのきっかっけとなっているようにも見えます(グラフ4参照)。

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