金融市場ラインマーカー

日本株について

2010年01月18日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 日本のデフレ環境は日本株の重し。
  • 政府のデフレ・円高対策は、日本株下落圧力の牽制要因。
  • 中国やアジアの回復は日本株の支持要因。

政府は昨年11月に、3年5ヶ月ぶりに「デフレ宣言」を行いました。デフレとは簡単に言うと、総需要が総供給を下回ることが主たる原因で起き、物価や株価に代表される資産の下落圧力となります。この事は過去を含め目下の日経平均の重しとなっています(グラフ1参照)。2001年の政府のデフレ宣言以降、日本株はデフレ環境下(消費者物価指数がマイナス域)で低迷し、脱デフレ宣言とともに上昇していることがわかります。

デフレ環境下では、マイナスの消費者物価が実質金利(名目金利-消費者物価)の水準を高めます。このため、デフレ環境にある日本の名目金利は世界最低水準であるにもかかわらず、実質金利ベースでは高水準になってしまうのです。これが他国との実質金利差を背景とした円高圧力としてくすぶり続けます。このため、円高が日本の輸出企業の収益に打撃を与えるとの観測となり、ここ数年、円高に連動性を強く持って日経平均が下落している要因の一つになっています(グラフ2四角囲い部分参照)。日銀は先ごろ、デフレ対策として円高と株安の連鎖を断ち切ることを意図して、「広い意味での量的緩和策」として、新たな資金供給策を打ち出し、金利の低下を促しました。今後更なる円高が進行する局面では、デフレ対策の一環として、介入の可能性が高まることに加え、日銀の追加資金供給策による金利の引下げ効果も見込まれ、円高・株安の牽制になることが視野に入ります。

グラフ1

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ2

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

TOPIX採用銘柄のうち、ここ12ヶ月間におけるリターンベスト10をセクター別に見ると、輸送機器、電気機器、鉄鋼、機械、卸売業(商社等)、といった中国関連、資源関連セクターが上位にきていることがわかります(グラフ3参照)。このことは日本の株式が中国の需要に大きな影響を受けていることが示唆されています。日本から中国への輸出は年間約13兆円にも達し、米国向け輸出の約14兆円に急迫しています(2008年末時点)。マクロ経済指標で見ても、日本株と中国の需要の関係の強さは観測できます。例えば、中国の輸入が増加すると、それは、上述した中国関連セクター株の上昇を通して、日経平均を支持します(グラフ4参照)。IMFは2010年の中国の成長を9%台と見込んでいます。このことが出遅れ感のある日本株の牽引要因となるのか要注目です。

グラフ3

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ4

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

グラフ5

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

世界の成長の牽引役は、かつての米国から中国に代表されるアジア地域にシフトした感があります。日本は、地理的な優位さも手伝い、アジア諸国の需要増から特に恩恵を受けます。日本のアジア向け輸出の上位3ヶ国である中国、韓国、台湾の鉱工業生産の伸び率は現在、リーマンショックのあった時点を上回る回復を示しています。この恩恵が日本株には支持的になってきたようです(グラフ5参照)。

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