金融市場ラインマーカー

ギリシャ格下げとユーロ

2009年12月21日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

2011年6月以降のレポートはこちらから

金融市場動向

  • ギリシャの格下げは懸念材料ではあるが、ユーロ圏全体への危機伝播の可能性は低いと見る向きが多い模様。
  • 信用市場の独、仏の安定を考慮すると為替市場はやや過剰反応と見ることも可能。

格付け会社フィッチが12月8日にギリシャの長期ソブリン格付けをA-からBBB+に引下げたのに続き、16日にはスタンダード・プアーズ(S&P)もA-をBBB+に引下げました。これを受けて、国債の債務不履行をカバーする保険料ともいえるCDSスプレッド市場でギリシャの同指標が急拡大しています(グラフ1参照)。為替市場でもユーロ/円が下落しました。ユーロ圏内では、2009年のアイルランドの格下げがありましたが、その度にユーロ/円は調整を繰り返してきました。しかし、その後の展開を見ると、このテーマが長期間に渡るユーロの下落要因にはなっていないようです(グラフ2参照)。

ユーロ圏の主要国である独、仏、のCDSスプレッドは低位安定しており、現段階ではギリシャ問題がユーロ圏全体の信用問題・流動性問題に伝播すると見る向きは少ないと示唆されているようです(グラフ1参照)。経済規模(ユーロ圏全体のGDPに占める各国の割合)から見ても、独、仏だけでユーロ圏の約4割にも達するのに対し、ギリシャは2%程度の比率しかありません(グラフ3参照)。また、世界の国債市場に占めるギリシャ国債の比率は、約1%程度であり、ギリシャの危機がユーロ圏を経由し、世界に伝播する可能性も現段階では限定的と見る向きが多いようです(グラフ4参照)。ちなみに、格付け会社ムーディーズは12月2日に「投資家によるギリシャの流動性問題を巡る懸念は誇張されている」との声明を発表しているようです。

グラフ1

出所:ブルームバーグ

グラフ2

出所:ブルームバーグ

グラフ3:ユーロ圏全体のGDPに占める各国GDPの比率

出所:ブルームバーグ

グラフ4:世界の国債発行額に占める各国の比率

出所:BIS

金融市場ラインマーカー一覧へ

「金融市場ラインマーカー」ご利用にあたっての留意点

当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。

【当資料に関する留意点】

  • 当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
  • 当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。
  • 当資料のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないので、表示することができません。
  • 投資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。