金融市場ラインマーカー

ドバイ問題は西欧に伝播するか?

2009年12月03日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • ドバイ問題はアブダビ首長国の支援が期待されること等を背景にアラブ首長国連邦(UAE)の国内問題として解決可能と見られる。
  • 懸念された西欧への危機伝播の可能性は後退。

アラブ首長国連邦・ドバイ首長国の政府系企業であるドバイ・ワールドの債務繰り延べ報道を受けた信用不安から、欧米の金融機関が被害を被り、ドバイ発の金融危機に発展する懸念が広がったため、一時、世界の金融市場は動揺しました。しかし、債務繰り延べが求められている額が約260億ドル(約2兆2500億円)の債務で、これは債務総額の約4割に留まり、残りの債務約6割は安定した財務基盤の裏付けがあると判明したことから、相場は落ち着きを取り戻したようです。実際、ドバイ国債の債務不履行が起きた場合の債権を保証するコストであるCDSスプレッドは急速に低下し、また、ドバイ問題が世界に伝播せず、ドバイの国内問題として対処可能との見方が広がる中で、欧米の株価は堅調推移に転じました(グラフ1、2参照)。ドバイはアラブ首長国連邦(UAE)を構成する7つの首長国のうちの一つですが、債務問題の成り行きを占う上で注目されたのは、UAE内で最大の経済規模を誇り、2008年1月現在で8750億ドルという世界最大の資産総額を持つ政府系ファンド(※)を有するアブダビ首長国がこの問題の支援をするかどうかでしたが、12月1日のUAE大統領の声明によると、「ドバイ首長国とアブダビ首長国がドバイ問題に協力して対応することで合意した。」としており、市場の不透明感払拭に貢献した模様です。

  • 政府が出資する投資ファンド。アブダビ投資庁は世界最大の投資ファンド。アブダビ政府の歳入のうち余剰の運用を世界の金融市場で行っている。

グラフ1

出所:ブルームバーグ
2009年12月1日現在

グラフ2

出所:ブルームバーグ
2009年12月1日現在

グラフ3

出所:ブルームバーグ
2009年4月1日=100として指数化
2009年12月1日現在

ドバイ・ワールドの債務再編の可能性が台頭する中、対ドバイへの与信額(リスク・エクスポージャー)が大きいとされる西欧の銀行への損害を懸念する見方があります。世界銀行(BIS)統計によると、その額は英国が約500億ドル、フランスとドイツ合計で約220億ドル、米国が106億ドルとなっていますが、それぞれ銀行の破綻リスクにつながるような金額ではないと見る向きが多い模様です。このことを西欧の各銀行株は反映しているようで、ドバイ金融市場総合指数が下落する中、反発しています(グラフ3参照)。

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