金融市場ラインマーカー

米国の企業利益と株価および雇用の関係

2009年11月27日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 米国企業の7~9月期の企業利益は5年ぶりの高水準だが、金融部門の急回復が主導、他部門は依然低調な伸びに留まった。
  • 非金融部門の利益は、雇用コストの削減を通したものであり、この環境の中では、雇用の本格回復は見込めない。

グラフ1

出所:ブルームバーグ

米国の企業利益は2009年7~9月期(第3四半期)に1兆3600億ドルと過去5年間で最大となりました。米国株はこれを反映し、堅調に推移しています。株価は長期的な観点に立つと、ハイテクバブルの時期を除き、ほぼ企業利益に連動していることが見てとれます(グラフ1参照)。ただし、今期の企業利益の上昇は、金融市場の回復を背景としたトレーディングの好調に支えられた金融部門の業績回復が主導しており、非金融部門や海外部門の利益は依然、低調な状態となっていることがわかります(グラフ2参照)。非金融部門の利益には改善の兆候も見てとれますが、企業経費の約3分の2を占める雇用コストの削減を通して利益を上げようとしている状態であり、この環境下では雇用の拡大は見込めず、家計の需要増を伴う企業の収益環境改善は見込めそうにありません(グラフ3参照)。

グラフ2

出所:ブルームバーグ

グラフ3

出所:ブルームバーグ

グラフ4

出所:ブルームバーグ

労働力1単位に対してどれだけの価値を生産できたかを示す労働生産性の伸びが経済成長の伸びを上回った状態が継続しています。このことも、ある一面では、企業の雇用コスト削減努力の動きを表しています。この環境下では雇用の本格回復を望むのは難しいと考えられます(グラフ4参照)。

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