金融市場ラインマーカー

ブラジル 2%の金融取引税導入と金融市場への影響

2009年10月22日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • ブラジル非居住者による株式・債券の購入代金の送金に係わる為替取引に金融取引税を2%課税することが発表された。
  • 同課税の背景は通貨高の抑制が主要目的。
  • ブラジル当局は、過去の通貨高局面にも同様の措置を講じたことがあるが、当時の効果は限定的であり、その後も通貨高は継続した。
  • 今回の課税措置によるブラジルレアル高抑制効果は限定的と見られる。

ブラジル当局は2008年3月に、非居住者による債券投資に1.5%の金融取引税を課税した経緯がありますが、当時その効果は限定的であり、ブラジルレアル高は続きました(グラフ1参照)。ただし、今回の措置は、株式購入に係わる為替取引にも2%の課税があるため、多少の影響が株価に現れる可能性があると見る向きもあります。なぜなら、ブラジル株の上昇は外国人投資家によって支えられてきたからです(グラフ2参照)。

グラフ1

出所:ブルームバーグ

グラフ2

出所:ブルームバーグ

ブラジル株の年初来の上昇は現地通貨建で、+64%を記録しており、2%の税率では費用対効果の観点からブラジル非居住者による株式投資の勢いを抑制するのは困難との声もあります(グラフ3参照)。また、円キャリー(円借り取り引き)での対ブラジルレアル投資では年初来パフォーマンスが主要通貨中、最高の+54%を記録しており、こちらも債券(金利)投資の抑制には効果薄と見る向きが多い模様です。

グラフ3

出所:ブルームバーグ

グラフ4

出所:ブルームバーグ

グラフ5

出所:ブルームバーグ

ブラジルへの資金流入に支えられたブラジルレアル高は、なにも債券や株式に係る資金だけではなく、ブラジル非居住者による直接投資によるところも大きいものと考えられます(グラフ5参照)。この点を考慮すると、今回の課税措置によるブラジルレアル高の抑制効果は限定的なのかもしれません(グラフ5参照)。

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