金融市場ラインマーカー

対ドルを除く円の全面安について

2009年09月10日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 4-6月期以降の世界景気の回復傾向とリスク回避姿勢の緩和を受けて、避難通貨であるドルと円は軟調推移に。
  • ドルは避難通貨としての需要の後退や低金利環境に加え、過剰流動性(ドル余剰状態)の供給もあり最弱通貨となった。
  • 円はドルに次ぐ軟弱通貨となった。対円での通貨順位の決定要因には金利差の読みが反映されだした模様。

世界的に景気回復が鮮明化した4-6月期以降の主要通貨の対円パフォーマンスを見ると、ドルが最弱になっていることがわかります(グラフ1参照)。ドルは金融危機局面の中での景気後退を背景に避難通貨として上昇していましたが、4-6月期以降に国内景気の回復傾向が鮮明になるに連れ反落しました(グラフ2参照)。これには米国自体の金利の低さから低利のドルを調達通貨にして、金利の高い他国通貨で運用するドルキャリートレード拡大の兆候と見る向きもあります。今のところ、米景気回復とリスク回避の緩和は米ドルにとってマイナス要因となっている模様です。

グラフ1

出所:ブルームバーグ

グラフ2

出所:ブルームバーグ

グラフ3

出所:ブルームバーグ

ドルには大幅に緩和的な金融環境もマイナスに作用しています。グラフ3は金融環境が引き締め的であるのか緩和的であるのかを判断する分析手法の一つである、マネタリー・コンディション・インデックス(MCI)とドル実効指数の推移です。これを見ると、現在の米国の金融環境は大幅に緩和的であり、依然として大量のドルが供給されているように見えます。このドル余剰状態に注目し、市場参加者はドルを売っているとの見方があります。

グラフ4

出所:ブルームバーグ

この4-6月期以降、円はドルに次ぐ軟弱通貨となりました。この背景には、世界景気の回復を受けた避難通貨「円」の需要減があります。今後、世界景気の回復傾向が更に鮮明になり、金利差などのファンダメンタルズに市場が再注目した場合、低金利の円は、より高金利の通貨に対して軟調に推移する展開になるのか要注目です。既に、グラフ1にはその傾向が現れているようです。

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