金融市場ラインマーカー

日本の個人の為替証拠金取引とヘッジファンドのポジション動向

2009年08月27日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 相場の落ち着きとともに、日本の個人投資家の円売り取引には再開の兆候が見え始めた。
  • 日本の個人投資家はポジション構築に際して、再び金利差に着目しはじめた可能性。
  • ヘッジファンドのパフォーマンスは足元の株価や原油価格の上昇に劣後。相場の下支え要因と見る向きも。

為替証拠金取引を通じた日本の個人投資家は、海外でミセスワタナベと称され、円相場の変動に多大な影響力を持つことから、そのポジション動向が注目を集めています。彼らの円売りポジションは2007年および2008年の夏場に約5千億円近辺でピークアウトし、そのポジション解消が急激な円高の一要因となっていました。足元は、相場の落ち着きもあり、彼らのポジションは、小幅な円売りが優勢になってきました(グラフ1参照)。為替証拠金取引における円の対主要外国通貨、全建玉に占める円売り建玉の比率(8/24時点)を見ると、絶対金利水準が高い通貨や、豪州やノルウェークローネ、英ポンドなどのように今年後半から来年にかけて利上げ観測が浮上している国の通貨に対しての円売り比率が高い模様です(グラフ2参照)。

グラフ1

出所:ブルームバーグ

為替証拠金取引 円の対主要通貨ポジション=円の対米ドル、ユーロ、ポンド、カナダドル、豪ドル、ニュージーランドドルポジションの売り/買い建玉合計から算出

グラフ2

出所:ブルームバーグ

2009年8月24日時点

ヘッジファンドは、金融危機に際してのリスク回避行動から運用資産の現金化を急速に行いました。これが株や原油価格急落の最大の要因になっていました。しかし、足元、リスク回避の緩和や景気回復観測から、株や原油などの価格が上昇しはじめました。これに対してヘッジファンドの前期本決算以降のパフォーマンス指数を見る限り、株価や原油価格に劣後しています。金融危機局面で高め過ぎた彼らの現金比率がパフォーマンス劣後の要因になっているとの観測があります。高い収益を求められるヘッジファンドは現在、株や原油を「買えていないリスク」にさらされているため、彼らの押し目買い(一時的に下落した場面での買い)が予想され、相場は下方硬直性を持つと見る向きがあるようです(グラフ3、4参照)。

グラフ3

出所:ブルームバーグ

グラフ4

出所:ブルームバーグ

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