金融市場ラインマーカー

英国の金融政策は英ポンドにプラスか?

2009年08月11日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

  • 英国中央銀行(BOE)は、量的緩和の手段である資産買い取り枠を1,250億ポンドから500億ポンド増額し、1,750億ポンドとした。
  • 一時醸成されていた来年初頭の金利引き上げ観測は後退したが、来年6月までの利上げ観測は依然として強い模様。
  • 住宅関連指標を中心に景気回復を示唆する経済指標が観測され、ポンドは対円で年初以降、約22%上昇。

グラフ1

出所:ブルームバーグ

英国中央銀行は、量的緩和の手段である資産買取枠を市場の予想に反し500億ポンド増額しました。声明文では金融市場の安定と、家計・企業の信頼感の回復を評価しながらも、マネーと信用の伸びが弱いまま留まっていることに懸念を表明しました。民間非金融企業向け貸し出しが低迷していることがその証左といえそうです(グラフ1参照)。

グラフ2

出所:ブルームバーグ

(※)日本で言う住宅金融公社のようなもの

英国では、社債や国債が中央銀行の購入対象になり、量的緩和が実施されています。量的緩和に踏み切った背景の一つとしては金融機関の貸し渋りが挙げられていました。英国の金融機関の貸し出し、および住宅ローン承認件数の急減がこの証左でした。しかし、足元は量的緩和効果なのか、貸し出しや住宅ローン承認件数に底入れの兆しが見られるようになりました(グラフ2参照)。これらのことが来年6月までの利上げ観測の醸成につながっているのかもしれません。

グラフ3

出所:ブルームバーグ

住宅市場の先行指標と考えられる住宅ローン承認件数の反発に連れてポンドも反発しています。金融危機の震源である住宅市場の改善はポンドの支持要因となっている模様です(グラフ3参照)。

グラフ4

出所:ブルームバーグ

住宅市場の低迷と共に金融危機の根幹をなしてきた金融機関の信用問題への評価の代替である銀行株指数も反発し、ポンドも連れ高傾向となっています(グラフ4参照)。

グラフ5

出所:ブルームバーグ

金融業・ビジネスサービス業の景況を現すCIPSサービス業指数は、改善しています。ポンドもこれに連れ高しています(グラフ5参照)。

グラフ6

出所:ブルームバーグ

金利先物市場では、2010年の6月までに小幅な利上げ観測が醸成されはじめたようです。今後1年間に織り込まれている政策金利変化幅の日英格差は英国優位になってきました。これに伴い、ポンドも上昇しています(グラフ6参照)。

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