金融市場ラインマーカー

豪州・英国・ユーロ圏の政策金利据え置きについて

2009年06月08日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

豪・英・欧は政策金利をそれぞれ、3%、0.5%、1%に据え置きました。 楽観的見方には依然として慎重ながらも、景気や金融危機が最悪期を脱したと示唆するような状況証拠も散見され、当面の政策金利据え置きを見込む向きが多いようです。

グラフ1

出所:豪州財務省、IMF

主要国は政策金利の引下げや量的緩和に加えて、景気刺激策として積極的な財政政策を実施しています。このこともあり、政府のバランスシートは拡大し、各国の純債務残高の対GDP比が増加しています(グラフ1参照)。この反面、積極財政の効果が一部の経済指標の回復として観測されるようになりました。豪・英・欧の政策当局は、この政策効果を見極めるため政策金利の据え置きを決めたとの見方があります。

グラフ2

出所:ブルームバーグ

豪州・英国・ユーロ圏の金融当局は、大幅な政策金利の引下げを実施してきました。しかし、少なくとも豪州、ユーロ圏での民間向け貸し出しは減少基調が継続したままです。今後、金融危機が収束し景気が本格的回復に向かうためには、信用創造の改善が必要不可欠なのかもしれません。その意味では、状況次第によっては豪州・ユーロ圏の追加利下げの可能性は否定できません。英国では量的緩和の効果もあり、貸し出しが回復し始めた模様です(グラフ2参照)。

グラフ3

出所:ブルームバーグ
※日本で言う住宅金融公庫のようなもの

英国では、社債や国債が中央銀行の購入対象になり、量的緩和が実施されています。量的緩和に踏み切った背景の一つとしては金融機関の貸し渋りが挙げられていました。英国の金融機関の貸し出し、および住宅ローン承認件数(注)の急減がこの証左でした。しかし、足元は、量的緩和効果なのか、貸し出しや住宅ローン承認件数に底入れの兆しが見られるようになりました(グラフ3参照)。このこともあり、英国の金融当局は一旦、政策金利を据え置いたのかもしれません。今後は、政策金利自体の水準よりも、量的緩和の規模が引き上げられるのかが焦点になっているようです。

  • 住宅を購入したい人のローン申請に対して金融機関が何件の承認をしたのかを表すデータ

グラフ4

出所:ブルームバーグ

豪州の政策金利は80年代においては平均15%近い高水準にありました。一方、現状の政策金利は歴史的な低水準にあります。この比較感もあり、豪州の住宅ローン需要は政策金利の低下に対して敏感に増加する傾向があります。足元も昨年9月以降の4.25%にも及ぶ政策金利の引下げを受けて、住宅ローン需要が回復してきました。これは、豪州経済の明るい材料であり、豪州通貨当局が政策金利の据え置きを決めた要因の一つかもしれません(グラフ4参照)。

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