金融市場ラインマーカー

リスク回避姿勢の緩和について

2009年06月02日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

投資家のリスク回避姿勢の緩和を示唆する状況証拠が足元観測されます。コモディティ価格の上昇や、一部エマージング諸国株式への資金流入の再開などはその証左です。 過去においてそうであったように、現在の世界的な過剰流動性の供給は、将来的なリスク性資産への資金流入の布石になるかもしれません。

グラフ(1)

出所:ブルームバーグ

昨年の夏場以降、世界的な金融危機、景気の後退を受けて投資家のリスク回避姿勢が高まり、リスク性資産の代表であるコモディティ価格が下落していました。しかし、足元はリスク回避姿勢が緩和され、コモディティ指数は前月比で約35年振りとなる大幅上昇を示現しました(グラフ(1)参照)。

グラフ(2)

出所:ブルームバーグ

昨年の夏場以降の金融危機局面では、世界的なリスク資産投資のポジション解消が急速に進み、流動性の確保が最優先されたことから、世界最高の流動性を誇る「ドル」に資金シフトが起きました。このためヘッジファンドの運用パフォーマンスが悪化(ポジション解消)する傍ら、ドル実効レートが上昇(流動性の確保)したものと考えられます。しかし、足元はリスク性資産の反発もあり、ヘッジファンドは金融危機局面において高めた現金シフト(ドルシフト)のリバランスを図る必要に迫られているのか、リスク性資産に投資資金を再シフトしはじめた兆候が伺われます(グラフ(2)参照)。このため、ヘッジファンドの運用パフォーマンスが上昇(リスク資産へのリバランス)する傍ら、ドル実効レートが下落(ドルシフトの圧縮)しているのかもしれません。

グラフ(3)

出所:ブルームバーグ

世界の株価が底値から反発し始めた今年の3月初旬以降から現在に至るまでの期間で、主要16通貨の中での対円パフォーマンスが最高(28.5%)を記録した南アフリカランドはリスク性資産の代表ですが、南アフリカへの株式投資フローの回復に連れて上昇しはじめました。株式投資という資産の裏付けのある通貨の反発なので、トレンドになるのか要注目です(グラフ(3)参照)。

グラフ(4)

出所:ブルームバーグ

経済の成長率に対してそれを大幅に上回るお金の供給がなされることを過剰流動性の供給といいます。過去において、過剰流動性の供給は時間差を置いて、コモディティ価格や株価、不動産価格の上昇を促してきました。今局面も日米ユーロ圏の通貨当局は過剰流動性を供給しています。このことは過去の例にならい、将来的な株の上昇への布石となるのでしょうか、要注目です(グラフ(4)参照)。

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