金融市場ラインマーカー

ユーロ圏の利下げとユーロについて

2009年05月11日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

欧州中央銀行(ECB)は5/7に政策金利を0.25%引き下げ、1%としました。また同時に、金融機関への無制限の資金供給策の期間延長および、カバード・ボンド(※)の購入を通じた量的緩和への布石を発表し、金融緩和姿勢を一段と強めた模様です。ただ、追加利下げの可能性は排除しないものの、「現行金利は適正水準」とも述べており、一部には利下げが最終局面に近いとの観測もあるようです。今回は、一連の金融緩和策、金融セクター安定化策の効果とユーロの動向に焦点を当てました。

  • モーゲージ貸出や公的部門向け貸出を担保とした金融債の一種

グラフ(1)

出所:ブルームバーグ

米国発の金融危機・信用市場の崩壊はご存知の通り、昨年9/15のリーマンショック以降、急速に拡大しました。銀行間融資の貸し渋りの度合いを示すと言われるLIBOR・OISスプレッド(※)はリーマンショック後、急拡大し、世界的な円売りポジションが急速に解消される要因となり、ユーロ/円は急落しました。足元、LIBOR・OISスプレッドは世界的な信用収縮緩和策を受けてリーマンショック前の水準まで改善しています。ユーロもこれに連れ、反発しています。信用市場の正常化、リスク回避緩和がユーロの上昇を促す構図となっている模様です(グラフ(1)参照)。

  • ロンドン銀行間市場金利(LIBOR)と将来の政策金利を予想して取引されるOIS市場金利の利回り格差

グラフ(2)

出所:MSCI、ブルームバーグ

ECBをはじめとした、世界規模での金融緩和策や金融セクターの安定策を受けて、欧米経済が最悪期を脱したとの見方が台頭しています。また、これに歩調を合わせ、投資家のリスク回避姿勢も緩和しており、リスク資産の代表格である株式が反発しています。ユーロも株価の上昇に連れ高しています。株価は6ヶ月~1年先の将来を織り込む特性があると言われていますが、将来的な景気回復、リスク回避姿勢の緩和を示唆する環境が更に具現化すればユーロの反発余地も拡大するのかもしれません(グラフ(2)参照)。

ユーロ圏のGDP成長率の先行指標ともいえるドイツのIFO景況感期待指数が底打ちの兆候を見せています(グラフ(3)参照)。この動きに連動性が高いユーロ/円も反発傾向にあります。この先、ユーロ圏の景気が最悪期を脱したとの見方が広がれば、過去の連動性の高さもあり、ユーロの回復が見込まれるのかもしれません(グラフ(4)参照)。

グラフ(3)

出所:ブルームバーグ

グラフ(4)

出所:ブルームバーグ

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