金融市場ラインマーカー

豚インフルエンザの影響について

2009年05月01日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

今回は「豚インフルエンザ」が市場に与える影響について分析します。

(グラフ1)メキシコペソ/円の年初からの推移

出所:ブルームバーグ

4月27日、世界保健機関(WHO)は、メキシコを中心とした豚インフルエンザに対し、6段階の警戒レベルのうち、「人から人への感染が地域レベルで続く状態」である「フェーズ4」としました。メキシコペソはこれを受けて一時対円で3.6%下落(三菱東京UFJ銀行TTM:電信仲値相場ベース)し、6円台をつける軟調な動きを見せました。 さらにWHOは、感染の中心となったメキシコ以外にも、米国で初めて死者が出たほか、欧州、ニュージーランド、中東、南米にまで汚染が広がっている状況をうけて、4月29日に警戒レベルを「人から人への感染が、WHO管轄地域内の2カ国以上で発生している状態」である「フェーズ5」に引き上げました。ただ、為替相場にはある程度織り込まれていたようで、メキシコペソ/円相場は5月1日のTTMで7.19円となっています。

今後、豚インフルエンザが拡大しメキシコ経済が打撃を受けると、国外からの資金の引き揚げにより、メキシコペソが圧迫を受けるリスクが浮上します。メキシコはグラフ2および3を見れば明らかなように米国の主要輸出・輸入国として米国経済と密接につながっています。
また、米国の金融機関のメキシコ向け貸出し残高は約900億ドルであり、スペインに次ぎ世界で2番目の規模があります。万一、メキシコの金融市場が危機に陥った場合には、米国金融機関に対する懸念も広がるかもしれません。 WHOを中心として各国政府は迅速な対応を行なっていますが、警戒水準が上がったことで検疫の強化や企業の渡航自粛などで人や物の動きが制限され、企業の活動などに影響が及ぶ可能性があります。したがって今後の推移次第ではメキシコのみならず、世界経済に影響を与える可能性も考えられます。豚インフルエンザは、新しく出てきた不確定要因として、今後の動向を十分に注視する必要があります。

(グラフ2)米国の主な輸出先ベスト5

出所:ブルームバーグ

(グラフ3)米国の主な輸入元ベスト5

出所:ブルームバーグ

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