金融市場ラインマーカー

ユーロ圏と豪州の利下げについて

2009年04月14日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

4月2日に、欧州中央銀行(ECB)が0.25%の利下げを決定し、政策金利を1.25%としました。続いて7日には豪州中央銀行(RBA)も0.25%の利下げを決定し、政策金利を3%としました。今回はこの点に焦点を当てました。

ユーロ圏、豪州ともに失業率が上昇し、景気後退が鮮明化する中、金融緩和にも関わらず、民間への貸し出しが低迷しています。この環境への処方箋として、金融緩和環境は続くとの見方が色濃いようです。トリシェECB総裁は「主要政策金利は率直に言って下限ではない。非常にゆっくりした方法で現水準から引き下げる可能性を排除しない」と発言し、今後の利下げに含みを持たせました。また、米国や英国が実施しているような国債等の資産買取りを通じた量的緩和を含む一段の措置について、次回5月に決定を下すと結論付けました。RBA総裁は、1-3月期に世界経済が縮小したものの、金融市場や世界の経済指標が一部、改善したことを指摘しました。また豪州の景気刺激策が豪州経済を下支えするとしており、ユーロ圏ほどには次回利下げに含みを持たせませんでした。ただ、豪州の市中銀行は今回の利下げに対して、モーゲージ金利(住宅ローン金利)を0.1%程度しか引下げていません。このため、豪州中央銀行はモーゲージ金利の充分な低下を支持する政策を取り続けるだろうとの観測も出ています。

(グラフ1)ユーロ圏と豪州の失業率

出所:ブルームバーグ

(グラフ2)ユーロ圏と豪州の民間向け貸し出し状況

出所:ブルームバーグ

豪州中央銀行の景気に対する声明文の内容は、バランスの取れたものであり、取り方によっては景気に対し楽観的にも受け止められます。実際に政策金利の引下げを反映し、消費者の心理は改善しているように見えます。また、豪州の住宅ローン申請も、まだ依然として前年比マイナス域ながらも反発の兆候が見られます。豪州は、政策金利に対するモーゲージ金利の感応度が主要国の中でも高い傾向がありますので、今後、信用創造が底入れから改善に向かうのか要注目です。

(グラフ3)豪州政策金利と消費者信頼感指数

出所:ブルームバーグ

(グラフ4)豪州政策金利と住宅ローン申請

出所:ブルームバーグ

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