金融市場ラインマーカー

エマージング諸国の利下げ動向

2009年02月03日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

世界的な景気後退を受けて、各国中央銀行は金融緩和を相次いで実施しています。インフレ懸念から利下げを踏みとどまっていたメキシコやブラジルも1月から、また南アフリカが昨年12月から利下げに転じています。また、新しいところでは、1月末にポーランドが0.75%、ニュージーランドが1.5%の利下げを実施し、それぞれ4.25%、3.5%としました。今回はこの中で、メキシコと南アフリカに焦点を当ててみました。

メキシコは1月16日に2006年4月以来となる金融緩和(0.5%)が行われ、政策金利は7.75%に、南アフリカは昨年の12月11日に0.5%の利下げを発表し、政策金利は11.5%となりました。両国経済はメキシコが米国の、南アフリカがユーロ圏の景気動向に影響を受けるため、外需が主導し景気が後退しています(グラフ1・2)。これもあり、両国は利下げを実施しました。両国ともにインフレ懸念が強い特性がありますが、商品市況の下落もあり、インフレ高進の観測が後退し、景気減速に配慮した利下げが可能な環境となりました。

(グラフ1)メキシコ輸出と米国景気

出所:ブルームバーグ

(グラフ2)南アフリカ輸出とユーロ圏景気

出所:ブルームバーグ

(グラフ3)南アフリカ非居住者の株式売買動向と南アフリカランド/円

出所:ブルームバーグ

世界的なリスク回避環境を受け世界の株式市場から資金が流出しています。この流れを受け、南アフリカの非居住者は南アフリカ株式を大幅に売りこしています。これに連動し、南アフリカランド/円は円高圧力がかかっていました。

(グラフ4)南アフリカ非居住者の株式売買動向と金価格

出所:ブルームバーグ

南アフリカの株式市場は、時価総額のおよそ半分が鉱物資源セクターであるため、同国株式市場への資金流入再開/南アフリカランドの反発には、金を始めとする鉱産資源価格の回復が前提となります。金価格は昨年後半以降、反発しており、これに連動する形で、南アフリカランドや同国株式市場も底堅く推移しはじめました。

英エコノミスト誌が発表しているビッグマック指数は、為替レートの決定要因を説明するひとつの概念である購買力評価(※)の考え方を単純化した理論に基づき算出されています。世界各国のビッグマック価格を対ドルで比較し、各国の現在の為替レートが対ドルで割安か割高なのかを示します。これを基に対円での南アフリカランドとメキシコペソの割安、割高を計算すると、両通貨ともに対円で割安が示唆されています。

  • 国内、海外で同じ商品の価格は同じ価格で取引されるはずであり、2国間の為替レートは長期的に、同じ商品価格になるような均衡水準に収斂するという考え方。ビッグマックは全世界でほぼ同一品質のものが販売され原材料費や店舗の光熱費、人件費などさまざまなコストを元にビッグマックの価格が決まるため、購買力平価の比較に使われた。

(グラフ5)ビッグマック指数による南アフリカランド/円

出所:エコノミスト、ブルームバーグ

(グラフ6)ビッグマック指数によるメキシコペソ/円

出所:エコノミスト、ブルームバーグ

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