金融市場ラインマーカー

ユーロ圏の利下げについて

2009年01月19日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

2011年6月以降のレポートはこちらから

金融市場動向

1月15日に実施されたユーロ圏の利下げに今回は焦点を当てました。

欧州中央銀行(ECB)は12月の0.75%利下げに続き、今回0.5%の利下げを全会一致で決定し2%としました。これで2008年10月以降2.25%の利下げを実施したことになります。また、2月開催の政策委員会では政策金利の変更を行わない可能性を示唆しました。

欧州中央銀行 声明要旨 (0.5%引下げ の背景)

  • 景気見通しが一段と悪化した。
  • 金融市場の混乱が激化、拡大した影響を受けて景気は急激に鈍化した。
  • 特に銀行の貸し出し基準が厳しくなり、民間向け貸し出しの鈍化が起きている。
  • 物価安定を脅かすリスクは概ね均衡している。

独IFO企業景況感指数とユーロ圏政策金利

出所:IFO Institute、ブルームバーグ

ユーロ圏GDPの先行指標である独IFO企業景況感指数(期待指数)は大きく落ち込み、3ヶ月間で2.25%にも及ぶ大幅な金融緩和のひとつの背景にもなってきました。2月には金利を据え置くことをECBは示唆しましたが、利下げ打ち止めではなく、実体経済に底入れの兆しが見られない間は3月にでも状況を見て利下げを行うノリシロをECBは残しておきたかったのかもしれません。

ユーロ圏マネーサプライと銀行貸し出し(前年比)

出所:ECB

利下げの際の声明要旨でも述べましたが、ECBは昨年9月以降に見られた金融市場の混乱激化を受けたマネーサプライ(通貨供給量)や民間向け銀行貸し出しの鈍化も金融緩和の背景として挙げています。今後、信用収縮リスクが更に高まったとECBが判断した場合は、3月を待たずに追加利下げに踏み切る可能性も視野に入ります。

ユーロ圏のイールドカーブ(利回り曲線)

出所:ブルームバーグ

ECBは2月の利下げは見送る旨を示唆しましたが、市場ではそのメッセージを利下げ終了と捕らえていません。市場参加者は2009年半ば頃までに1.25%への利下げを完全に織り込んでいます。またユーロ圏のイールドーカーブは先行きの利下げを見込み、前回(12/4)と比較してスティープ化(傾きがきつくなる)しました。政策金利の動向に敏感に反応する傾向のある2年ゾーン金利が先行きの金融緩和を織り込み、その低下幅が長期金利ゾーンのそれよりも大きくなっています。

金融市場ラインマーカー一覧へ

「金融市場ラインマーカー」ご利用にあたっての留意点

当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。

【当資料に関する留意点】

  • 当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
  • 当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。
  • 当資料のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないので、表示することができません。
  • 投資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。