金融市場ラインマーカー

欧州各国の利下げについて

2008年12月08日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

12月4日に実施された欧州諸国の利下げに今回は焦点を当てました。

ECBのGDP成長率予想

出所:ブルームバーグ
  • 赤点線はECBの予想

12 月4日には、欧州中央銀行(ECB)が-0.75%、英国中央銀行(BOE)が-1.0%、スウェーデン中央銀行が-1.75%の利下げを決定しました。利下げ後の政策金利は、それぞれ2.5%、2.0%、2.0%となりました。ECBの利下げ幅は創設以来の最大幅です。また、ECB総裁は2009年のユーロ圏GDP成長率が1993年以来で初めてとなるマイナス成長を予想しました。

ユーロ圏のイールドカーブ(利回り曲線)

出所:ブルームバーグ

世界的な景気減速観測や株安を受けて、安全資産である債券の需要が高まり、ユーロ圏の長期ゾーン金利は短期ゾーンよりも低下幅が大きく、史上最低水準に到達しています。

欧米の銀行間カウンターパーティ・リスクの状況

出所:ブルームバーグ
  1. FRB(連邦準備制度理事会)内にある当座預金口座に銀行が法定準備預金以上に預けている預金
  2. 銀行間の資金調達等で互いの銀行の経営状態に対しての強い不信感から信用収縮がおきるリスク

一連の政策金利の引下げは、銀行間資金調達市場でのカウンターパーティ・リスク(※1)の高まりから信用収縮が起きている状況を改善しようという主旨もあります。しかし、奏功しているとは言いがたい状況です。カウンターパーティ・リスクの状況を判断する指標の一つにLibor/ois(ロンドン銀行間出し手金利/オーバーナイト・インデックス・スワップ)スプレッドがあります。米国の同指数は政策金利の引下げに加えて、準備預金、超過準備(※2)に対して利子を付与するファシリティ等、量的緩和政策を既に実施していることもあり、大幅に低下していますが、欧州では横ばい推移となっており、カウンターパーティ・リスクの緩和にはつながっていない状況です。ECB総裁は利下げ決定後の記者会見で量的緩和の可能性について聞かれ、「ECBは既にバランスシートを拡張して積極的に流動性を供給している。新たな枠組みが必要になればそうするだろう。」と述べ、量的緩和への含みを持たせたようです。

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