金融市場ラインマーカー

10月以降の世界各国の金融政策について

2008年11月05日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

10月は主要国において、 2001年1月以来となる協調利下げが実施された月となりました。直近では、11月4日に豪州が3ヶ月連続となる大幅な利下げ(0.75%)を決定しています。その一方で、エマージング諸国の一部では、据え置きもしくは利上げに動く国も観測されます。今回はこの点に焦点を当ててみました。

10月最終週には、日・米・豪が相次いで利下げを決定しました。その声明要旨を見ると、共通して、世界的な金融危機への対処として金融緩和が決定されたことが述べられており、一連の利下げが主要国の協調行動であることをにじませています。特に、日本の利下げは各国が利下げに動くなか、日本だけが利下げを行わない場合、円高が加速する可能性もあっただけに、協調行動とはいえ苦肉の策との声も聞かれます。

10月最終週以降の主要国の利下げと声明要旨

日銀・金融政策決定会合声明要旨(10月31日) 景気の下振れリスクが高まっている。世界経済の調整は、最近、一層厳しさを増している。日本経済は当面、停滞色の強い状態が続くものと見込まれる。
FOMC声明文要旨(10月29日) 本日の利下げ、各国の協調利下げ、流動性対策、金融システム強化策を含めた最近の政策は、時間とともに信用環境を改善させ穏やかな経済成長への回帰を促進する助けとなるだろう。ただ、依然として成長の下方リスクは残る。
豪州政策決定会合声明要旨(11月4日) 金融危機は経済の打撃になっており、一段の大幅な政策金利の引下げが正当化されると判断した。消費や経済活動は当初の見通しよりも軟調となる可能性が高いと見られる

各国のLiborの推移

出所:ブルームバーグ

世界的な金融の危機的状況は、銀行同士が資金の調達を行うLibor(ロンドン銀行間出し手金利)の急騰に具現化しました。そこで、各国中央銀行は協調利下げや流動性の供給および一連の金融安定化策を打ち出したわけです。この効果が次第に浸透した模様であり、米ドルLiborを中心に各通貨のLiborは正常化に向けて低下しています。

10月以降の各国政策金利の変化幅

出所:ブルームバーグ

10 月以降の主要国の金融政策は利下げが加速しているのに対し、エマージング諸国の一部等では、主要国に同調せず、据え置き、もしくは利上げが実施されています。この背景には、世界的なリスク回避行動を受け、エマージング諸国等の資産から資金が流出するのを抑制する意図があると考えられています。

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