金融市場ラインマーカー

米ドルの流動性枯渇に対する各国の協調措置について

2008年09月22日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

2011年6月以降のレポートはこちらから

金融市場動向

リーマン・ブラザーズの倒産以降、信用不安が蔓延し、ドルの流動性が逼迫化(銀行間のドル調達金利急騰)しています。そこで日米欧を中心とした主要6カ国中央銀行は、短期金融市場におけるドル資金の供給を拡充することを決定しました。その拡充規模は1800億ドルであり、異例の協調行動となります。今回はこの点に焦点を当てました。

FFレートと金融機関同士のドル調達金利

出所:ブルームバーグ

リーマン・ブラザーズの倒産を受けて、金融機関同士が資金のやり取り(調達・貸出)を行う短期金融市場では、次の破綻による資金回収不能を恐れて、金融機関がドル資金の貸出しに過度に慎重になっています(信用収縮状態)。このため、ドルの調達金利が政策金利であるFFレート(2%)を大幅に上回る異常事態になっています。これに対処するため、日米欧を中心とした主要国中央銀行はドルの流動性を供給する異例の協調措置(※)を打ち出しました。通常、各国の中央銀行は、自国通貨の流動性を供給していますが、機軸通貨ドルの危機が他国に拡大するのを未然に防ぐには、調達が、特に困難になっているドルの流動性拡充が必要と判断した模様です。

  • 通貨スワップ協定:中央銀行間で自国の通貨を相互に預け入れ、必要な外貨を調達する制度。例えば、米連邦準備制度理事会(FRB)と日銀間では総額600億ドルのスワップ協定を締結し、日銀が国内の金融機関にドル資金を供給する。

ドルのLibor金利 / 米財務省短期債券  金利格差

出所:ブルームバーグ

国際的な金融機関同士のドルの調達金利であるLibor金利とT-bill(米財務省短期債券)の金利格差であるTedスプレッドは、短期金融市場におけるドル資金の流動性リスクの高まりを判断する指標の一つですが、リーマン・ブラザーズの倒産以降、同指標は急速に拡大しています。これを見る限り、信用不安は治まっていないように見えます。 今後、上述の各国中央銀行によるドルの流動性拡充という強調措置が奏功し、信用不安が収束してゆくのか要注目です。

金融市場ラインマーカー一覧へ

「金融市場ラインマーカー」ご利用にあたっての留意点

当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。

【当資料に関する留意点】

  • 当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
  • 当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。
  • 当資料のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないので、表示することができません。
  • 投資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。